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総延長およそ150キロ!「ベルリンの壁」跡地を自転車で辿ってみた。(11)/過去を圧倒する現在のベルリン

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運河に沿ってシュプレー川へ

 「ベルリンの壁」を辿るため運河に沿って進んでいくと、今までは違う街の姿が見えてきます。市内中心部であり、水辺のスペースであるため、多くの人が集まる場所となっています。この周辺で見ることになるのは観光地となった街の姿なのです。運河は大通りと交差しますが、そこに見えるのは、クラブやバー、そしてカフェなど若者や観光客を対象としたきらびやかな店。コロナ・ウイルスで観光客が減っても、それでも多くの人が集まる人気の場所です。ここではベルリンの現代的な姿を見ることになるでしょう。

運河横に佇む監視塔

 運河と交差する大通りですが、その道路上に真っ直ぐ伸びる印が見えます。それは今までに幾度も登場してきた「ベルリンの壁」跡を表示する印。多くの人は気に留めることなく、その上を通り過ぎていきます。そんな通りを東側へと目を向けると、異質な建物が目に入りました。高さのある無骨なコンクリートの建物。これは東ドイツが東西の境界部分の警備を行っていた監視塔です。そんな建物も、外壁には派手なグラフティが描かれており、どこか現代的に感じられてしまいます。まるで現在が過去を上書きしてしまうような印象さえ感じてしまいました。

シュプレー川に残された港の面影

 大通りを横切って進むと見えてくるのは、広々とした水面とそれを眺める人々。運河はベルリンを東西に横切るシュプレー川へと流れ込みます。この周辺は20世紀初頭に開発された港でした。近くには輸送するものを保管していた建物が多く残されています。川面を見ると、見えるのは細長く伸びる構造物。これは桟橋として使われていたもので、東西ドイツ時代には「西側」の運河と「東側」のシュプレー川の間で船舶の航行や輸送のコントロールを行っていたもののようです。ここでは東西ドイツ時代を含めて、かつての港の面影を感じることできました。

河岸から眺める街並み

 シュプレー川の東側、上流部分を眺めると、人が向かい合ったオブジェが見えます。それは大きく、高さはおよそ30メートルもあります。これはアメリカ人アーティスト、ジョナサン・ボロフスキーの作品で、1999年にこの場所に設置されたもの。今ではベルリンのシンボル的な存在となっており、ベルリンのイメージ写真には、この作品が写った風景がよく使われています。それらの写真はベルリンが現代的な都市であるように感じさせるものが多いかもしれません。そのため私にはこの作品が現代のベルリンを象徴するものに思えてなりませんでした。

過去を飲み込む現在のベルリン

 シュプレー川の河岸からの眺めは美しく、西側の下流部分を眺めると素晴らしい景色が目に飛びこみます。そこから見えるのは、ベルリンのテレビ塔や、川沿いに建つ建設途中のモダンなビル群。この辺りのシュプレー川は「西側」と「東側」の境界となっていましたが、歴史的な場所というよりも現代的な場所としか思えませんでした。「ベルリンの壁」があった重要な場所ですが、再開発や観光地化がその過去を飲み込んでいるように感じられるのです。ここでは先ほど見た監視塔のように、現在のベルリンが過去のベルリンを上書きしているのかもしれません。

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