ベルリンの壁跡地
Home » ベルリンの壁 » 総延長およそ150キロ!「ベルリンの壁」跡地を自転車で辿ってみた。(6)/壁のあった時代から残されたもの

総延長およそ150キロ!「ベルリンの壁」跡地を自転車で辿ってみた。(6)/壁のあった時代から残されたもの

更新日

/

,

白樺に囲まれた「壁の道」

  奇妙な風景を生み出す集合住宅群「グロピウスシュタット」を後にして、「ベルリンの壁」を辿って、「壁の道」を東へと進みます。

この周辺では壁のあった場所に白樺の木が植えられていました。それらの木々は細く、気持ちの良い初夏の日差しを取り込んでいました。また白樺の木は太陽の光に白く反射して「壁の道」に明るさをもたらします。

この周辺の道は「ベルリンの壁」を辿るルートで最も気持ち良い場所の一つでした。

ベルリンの壁の無人地帯が残る場所

「壁の道」を自転車で進んでいくと、開けた場所へと出ていきます。ただし少し様子が変です。というのも「壁の道」に沿って広がるのは木々の無い平原。耕地でもなく何にも利用されていないようです。

それは「西側」のベルリンの住宅地と、「東側」のブランデンブルク州の耕地の間に挟まれた部分に広がっています。これは「ベルリンの壁」の横に造られた、壁への接近を防ぐためのスペース、無人地帯の跡のようです。

多くの無人地帯の跡は植樹などで自然に覆われて、その姿を確認することができません。しかし、ここでは今もなおその姿を残しているのです。

ベルリンの壁と無人地帯

 「ベルリンの壁」と言うと、多くの人は1枚の壁を思い浮かべるかもしれません。しかし多くの場合、壁は2枚ありました。1枚は東西の境界に築かれたもの。そして、もう1枚はその壁への接近を妨げるもの。

その2枚の壁の間には、木々や植物を取り払い、建物を撤去して見通しを良くした無人地帯があったのです。つまり、「ベルリンの壁」は、一般的には2枚の壁と無人地帯がセットとなった場所だったのです。

今では「ベルリンの壁」はおろか、無人地帯もほとんど残されておらず、その姿を見つけることは簡単ではないでしょう。

壁のあった時代から残されたもの

「壁の道」を東へと向かうと、ルードー(Rudow)地区に入ってきます。ここで目に入ったのは道に沿って等間隔で並ぶ街灯。

今まで「壁の道」では街灯を見たことはありませんでした(そのため、夕方以降に走ることはお勧めできません)。しかも、周りに住宅も無ければ、人が利用するような施設もありません。

これは「ベルリンの壁」のあった時代のもので、逃亡者を見つけるために無人地帯を照らしていた照明のようです。こうした東西ドイツ時代から残されたものは、ここに壁があったことを強く実感させてくれるのでした。

変わりゆく風景

  街灯は等間隔に並び、それがしばらく「壁の道」に沿って続いていきます。しばらく自転車で走っていると、何やら動物の鳴き声が聞こえてきます。その声の方を向くと、見えるのは多くの牛。

餌を食べたり、「壁の道」を訪れた人に餌をねだるなど、牛たちはのんびりと過ごしています。ここでは無人地帯が牧場へと転用されていて、牛が放牧されているのです。

無人地帯は広さもあり、障害物も無いため、牛を飼育するには都合が良かったのかもしれません。壁崩壊から30年以上の月日は、逃亡を妨げるためだけの不毛な空間を、動物たちの生活の場へと変えていました。

ベルリンの壁関連の記事

ドイツの駅

ドイツで気を付けたいスリ。鉄道会社が警告するスリのテクニック9選

7月 3, 2024

ドイツではスリや盗難などの軽犯罪が多く発生しています。こうした犯罪は、…

ドイツの空港

2023年2月27日にデュッセルドルフとケルン・ボン空港でストライキの予定

2月 26, 2023

2023年2月27日にデュッセルドルフとケルン・ボン空港でストライキが…

ケルンの大聖堂

ケルンの公共交通機関の使い方を解説!(2025年版)

12月 17, 2024

こちらの記事ではケルンの公共交通機関には何があるのか、料金体系はどうな…

オクトーバーフェスト

オクトーバーフェストを訪れるなら知っておきたいこと、楽しみ方と気を付けたいこと、2026年のスケジュール

7月 8, 2025

オクトーバーフェストは会場の広さから来場者の数まで桁外れのものです。そ…

ヘルタ・ベルリン観戦

ベルリンでヘルタ・ベルリンの試合を観戦してみよう!

9月 7, 2024

ベルリン観光に合わせて、ヘルタ・ベルリンの試合やトレーニングを訪れたい…



ページ内検索


タグ

お勧めの展示 お役立ち情報 ケルン シュトゥットガルト デュッセルドルフ ドイツサッカー ニュルンベルク ハノーファー バンベルク フランクフルト ベルリンの壁を自転車で辿る ベルリン観光 ライプツィヒ ヴァイマール ヴュルツブルク 現代アート 蚤の市


最新の投稿

ドルトムントの公共交通機関の使い方を解説(2025…

ドルトムントの公共交通機関の使い方を解説(2025…

ドルトムントはドイツ西部にあり、ドイツで9番目の人口を誇る大都市です。日本では特に街にあるサッカーチーム、ボルシア・ドルトムントで知られているでしょう。ドイツの強豪チームであり、熱烈なファンがいるため…

2026年のベルリンのイベントスケジュール

フリー画像/ベルリンマラソン

ドイツの首都ベルリンでは数多くのイベントが開催されます。ベルリンマラソンやベルリン映画祭のように国際的に知名度の高いイベントも開催され、多くの人がベルリンを訪れるのです。 こちらの記事では、そんな国際…

アーヘンの公共交通機関の使い方を解説(2025年版…

アーヘンの公共交通機関の使い方を解説(2025年版…

アーヘンはドイツ西部にあり、ベルギーやオランダの国境までわずかなところ位置しています。街には巨大な大聖堂がそびえており、それは世界遺産にも指定されているのです そんなアーヘンの大聖堂を訪れるために、ア…

喜ばれるドイツ土産は何がある?手軽に買えるお勧めの…

喜ばれるドイツ土産は何がある?手軽に買えるお勧めの…

ドイツに旅行するのであれば、多くの人がお土産を購入すると思います。ただしお土産で何を購入して良いか迷うかもしれません。また日本に持ち込めないものもあるため、せっかく購入しても日本に持ち込めなければ、意…

ドイツ旅行で気をつけたい、ドイツに持ち込めないもの

ベルリン・ブランデンブルク国際空港

ドイツ旅行の際に、気をつけなくてはいけないことがあります。それはドイツに持ち込んでいけないものをうっかり持ち込んでしまうことです。間違って持ち込んでしまうと没収されてしまったり、場合によっては関税がか…