ベルリンの壁
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ベルリンの壁を訪れるなら、必見の場所9選

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ベルリンの壁は冷戦時代を象徴するものです。それはベルリンの街を東側と西側に切り分けて、人々の暮らしを引き裂いていました。壁はドイツの東西分裂後の1961年に築かれましたが、東ヨーロッパの変革などの影響を受けて1989年に崩壊しています。

現在では壁の崩壊から30年以上の月日が流れました。その一部は残されているものの、多くは撤去されて街から姿を消しています。またドイツ再統一によって街の再開発が進み、壁の痕跡を見つけることも簡単でなくなりました。そこで、こちらの記事では壁が残された場所や、その痕跡を感じられる場所を9カ所を紹介したいと思います。

紹介するベルリンの壁

ベルリンの壁がどこにあったかは、こちらの記事で紹介しています。

当時の壁の構造を見せるベルリンの壁博物館(ベルリンの壁メモリアル)と周辺エリア

ベルリンの壁博物館
本物の壁とポールが敷地に延々と伸びている

ベルリンの中心部にあった壁をそのまま残しているのが、ベルリンの壁博物館とその周辺に整備されたエリアです。壁のほとんどは取り壊されていますが、博物館周辺では実物の壁が60メートルほど残されています。

また壁が無い場所にはポールを立てられており、そこに壁があったことを示すなど、壁の存在を感じることができるでしょう。壁の横に建てられている博物館では、ベルリンの壁に関する資料を展示するなど、壁について学べる場所となっています。

ベルリンの壁博物館
手前の壁がベルリンの壁。その背後に無人地帯と監視塔があり、その背後に第二の壁が築かれている

博物館と周辺エリアの特徴は、壁に合わせて壁に関連するものも保存しており、当時のベルリンの壁の様子を再現していることです。壁には、それに近付けないように築かれた第二の壁がありました。そして壁と第二の壁の間は障害物を取り除いて見渡しを良くして、警備を行っていたのです。

ここではベルリンの壁周辺の構造を当時のままに残しており、西側へと逃亡することがほとんど不可能であったことを気付かせてくれるでしょう。

ベルリンの壁博物館 (ベルリンの壁メモリアル)/ Gedenkstätte Berliner Mauer

アドレス: Bernauer Str., 10115 Berlin

入場料: 無料

開館時間:10〜18時(月曜休館)/ 周辺エリアは屋外のため、いつでも訪問可能

Web-Site:ベルリンの壁博物館

ベルリンの壁博物館周辺の様子を撮影しました。場所の雰囲気がわかるかもしれません。

ベルリンの壁博物館はこちらで紹介しています。

イーストサイドギャラリー
べうりんの壁には、様々な壁画が描かれている

ベルリン中心部では壁は川に沿って築かれていた場所もありました。そのような壁の一部を残しているのがイーストサイドギャラリーです。ここではベルリンの壁が1.3キロにもわたって残されており、壁には様々なイラストが描かれています。

街を切り裂いた壁はキャンヴァスとなって鮮やかなイラストを見せる場に生まれ変わっているのです。壁にイラストを描いたのは21カ国118人のアーティスト。そのスタイルは様々で、壁に沿って歩きながら、多くのイラストを楽しむことができるでしょう。

イーストサイドギャラリーでも最も有名な最高指導者同士のキス

イラストの中で有名なのが、東ドイツとソ連の最高指導者が挨拶として口づけを交わした実際の様子を描いたもの。当時蜜月の関係にあった東ドイツとソ連の関係を表したものです。それが東西ドイツを引き裂いていた壁の上に描かれているため、壁の意味を深く考えさせるものといえるでしょう。

ここでは歴史を感じられるだけでなく、壁の上に描かれたイラストによって、アーティストたちの壁や平和への思いを感じられる重要な場所になっています。

イーストサイドギャラリー /  East Side Gallery

アドレス: Mühlenstraße 3-100, 10243 Berlin

入場料: 無料

開館時間:屋外のため、いつでも訪問可能

Web-Site:イーストサイドギャラリー

イーストサイドギャラリーを撮影してきました。壁や場所の雰囲気を感じられるかもしれません。

イーストサイドギャラリーについては、こちらの記事で紹介しています。

ドイツの歴史を感じさせる場所、テロのトポグラフィー

テロのトポグラフィーのベルリンの壁
ベルリンの壁を背後にして屋外展示が行われている。

ベルリンの壁が当時のまま連なった形で残されている場所は、わずか数カ所しかありません。そのうちの一つがテロのトポグラフィー前に残された壁です。こちらの場所はチェックポイント・チャーリーの近くにあり、およそ100メートルにわたってベルリンの壁が残されています。

残されている壁が一部でなく連なったものであるため、いかに壁がベルリンの街を切り裂いていたかを感じることができるでしょう。

テロのトポグラフィーのベルリンの壁
旧東側から見たベルリンの壁。

壁の裏側にあるのはテロのトポグラフィーと呼ばれる展示施設です。この場所はナチス政権時代に秘密警察であるゲシュタポが本部を構えていた場所でした。そのような場所で、ゲシュタポについてや、それが行ったことを伝える展示を行い、歴史の風化を防いでいるのです。

ここでは壁から東西ドイツ時代の歴史を感じられるだけでなく、テロのトポグラフィーから第二次世界大戦時のドイツの歴史を感じることができるのです。

テロのトポグラフィー / Topographie des Terrors

アドレス: Niederkirchnerstraße 8, 10963 Berlin

入場料:無料

開館時間: 10〜20時(壁は屋外のため、いつでも訪問可能)

休館日: 1/1、12/24、12/31

Web-Site:テロのトポグラフィー

ベルリン便りではベルリンの壁や壁跡地をご案内します

ベルリンの壁個人ガイド

ベルリン観光にお勧めなチェックポイント・チャーリー

チェックポイント・チャーリー
旧西側から見ると、ソ連兵の写真が見える

ベルリンの壁関連で最も有名な場所はチェックポイント・チャーリーかもしれません。東西分裂時のベルリンは壁で街が分断されていました。しかし東西の往来ができるように幾つかのチェックポイントがあり、西側の市民などが東側を訪問できるようになっていたのです。

チェックポイント・チャーリーはそのうちの一つで、ここでは外国人や政治家、そして軍関係者が利用していました。そんなチェックポイントで使われていた建物が再現されており、東西ドイツ時代の様子を思い浮かべられるようになっています。

チェックポイント・チャーリー
壁は残されていないが、壁があった場所がわかるように印されている

チェックポイント・チャーリーの特徴となっているのは、当時使用されていた建物の再現ですが、それ以外にも見所があります。それは取り付けられている巨大な写真です。かつての東側に向かってアメリカ兵の写真が取り付けられ、かつての西側にむかってソ連兵の写真が取り付けられています。

この場所では冷戦時に東西陣営の対立でアメリカ軍とソ連軍の戦車が対峙する事件がありました。そうした対立を、取り付けられた西側に向き合うソ連兵、東側に向き合うアメリカ兵の写真を通じて感じられるようになっているのです。

チェックポイント・チャーリー / Checkpoint Charlie

アドレス: Friedrichstraße 43-45, 10117 Berlin

入場料: 無料

開館時間: 屋外のため、いつでも訪問可能

Web-Site: チェックポイント・チャーリー

チェックポイント・チャーリー付近の様子を撮影してきました。場所の雰囲気を感じられるかもしれません。

チェックポイント・チャーリーはこちらの記事で紹介しています。

統一ドイツのシンボル、ブランデンブルク門

ブランデンブルク門

ベルリンのシンボルであるブランデンブルク門ですが、実はベルリンの壁とは深い関係があるのです。なぜならベルリンの壁が建設された際に、壁はブランデンブルク門のすぐ横に築かれたのです。門の西側は西ベルリンであり、門の東側は東ベルリンという境界にあったのがブランデンブルク門だったのです。

このようなブランデンブルク門はベルリンの壁があったため、誰も通り抜けられない場所となっていました。そんなベルリンの壁は1989年に崩れることになります。そしてベルリンの壁は撤去されて、門は再び人々が通り抜けられる場所となったのです。そのためブランデンブルク門はベルリンのシンボルだけでなく、統一ドイツのシンボルでもあるのです。

ベルリンを訪れる際に多くの人は門だけを見る人が多いでしょう。ですが、ぜひ門の西側へと向かってください。そして道路にぜひ注目してみてください。門の西側には道路の上にタイルで線がひかれているのです。それはベルリンの壁があった場所を示すものなのです。

ブランデンブルク門を訪れる際に、統一ドイツのシンボルであることを意識して訪れると、東西ベルリンの違いなどが感じられるかもしれません。ですので門だけではなく壁の痕跡にも注目してみてください。

ブランデンブルク門 / Brandenburger Tor

アドレス: Pariser Platz, 10117 Berlin

Website:ベルリン観光局のホームページ

入場料:無料

最寄駅:Sバーン、地下鉄5番線(U5)Brandenburger Tor駅

ブランデンブルク門周辺の様子を撮影してきました。場所の雰囲気を感じれるかもしれません。

ライブカメラ :現在のブランデンブルクの様子を見れるカメラ

ブランデンブルク門については、こちらの記事で紹介しています。

ベルリンの壁跡に植えられた桜、ボンホルマー通りの桜並木

ボンホルマー通りの桜並木
桜の季節には多くの人が訪れる人気の場所に

ボンホルマー通りは、チェックポイント・チャーリーと同様、東西の往来ができる場所でした。ここは西ドイツや西ベルリンに住む人だけが往来できる場所だったのです。しかし壁崩壊直後に、多くの東ベルリン市民が詰め掛け、ここから西側に向かったことでも知られています。

このような記録については、かつての検問所となった橋のたもとで展示が行われており、壁崩壊時の様子を感じることができるでしょう。

ボンホルマー通りの桜並木
春にはピンクの壁が現れる

ボンホルマー通りには壁がありましたが、現在では壁の跡に沿って桜が植えられています。これは日本で行われた募金によって植えられた桜の木で、春に美しい花を咲かせます。そのため、ここでは毎年春にピンク色の帯が生み出されるのです。

こうした桜並木はベルリンに数カ所ありますが、多くの桜が植えられ、市内中心部にあるのはここだけです。そのため壁跡地の桜並木を気軽に訪れたいのであれば、こちらを訪れると良いでしょう。

ボルンホルマー通り/ Bornholmer Straße

アドレス: 10439 Berlin

入場料: 無料

開館時間: 屋外のため、いつでも訪問可能

Web-Site: ボルンホルマー通り

日本関連のイベントも開催されるベルリンの壁跡地、テルトーとベルリンの境界

ベルリンの壁跡地の桜並木

日本で集められた募金によって、ベルリンの壁の跡には1万本もの桜の木が植樹されました。そのためベルリンの壁跡には幾つか桜並木があるのです。その中でも特に有名なのが、ボンホルマー通りとテルトーとベルリンの境界です。テルトーはベルリンの南側に隣接する町でかつては東ドイツでした。テルトーとベルリンの境界にはベルリンの壁があったのです。

そんなベルリンとテルトーの境界にあるベルリンの壁跡地には、およそ1000本もの桜が植えられています。そのため1キロ近くにわたって桜並木となっているのです。これは日本から送られた桜が生み出すものでは最も長い桜並木となっています。そして毎年春には美しいピンク色の壁が生み出されるのです。

ベルリンの壁跡地の桜並木

そんなベルリンとテルトーの境界にあるベルリンの壁跡ですが、こちらの最大の特徴は毎年桜の花が咲く頃に花見という形でイベントが開催されることです。そこでは日本の音楽が演奏されたり、日本のアニメのファンが多く集まるなど、日本とドイツの繋がりを感じさせるものとなっているのです。そのため春にベルリンを訪れるなら、必見の場所と言えるでしょう。

テレビ朝日さくら平和通り / TV-Asahi-Kirschblüten

アドレス: Mauerweg, 14513 Teltow

入場料: 無料

開館時間: 屋外のため、いつでも訪問可能

Web-Site: テルトー市の桜情報

テルトー市の桜並木の様子を撮影しました。場所の雰囲気を感じられるかもしれません。

テルトーに植えられた桜並木については、こちらの記事で紹介しています。

歴史や自然を感じられるグリーニッケ橋

グリーニッケ橋
東西の境界だった橋

東西ドイツ時代にはベルリンは東ドイツ側にありました。そんなベルリンを東西で分割したため、西ベルリンは東ドイツにある陸の孤島になったのです。ベルリンの壁はそんな西ベルリンを囲むように築かれ、その全長は150キロにも及びました。

壁は市内だけでなく郊外にも築かれており、ベルリンとその隣街ポツダムの間にも築かれていました。その中でも最も有名な場所はグリーニッケ橋でしょう。ここでは橋が封鎖され、東ドイツ側だったポツダムの街と西側の西ベルリンを分断していたのです。

グリーニッケ橋
元々ベルリンの避暑地として場所であったため、美しい風景が広がっている

このような場所は冷戦下に東西のスパイを交換した場所として知られており、東西ドイツ時代の歴史的な場所といえるかもしれません。現在、壁などは撤去されており、東西ドイツが分断された場所から、周辺にある湖やその周りに広がる森などを眺めることができます。

今では湖など水遊びをしたり、湖岸をサイクリングするなど自然を楽しめる場所なのです。ここはベルリンの壁から歴史を感るだけでなく、郊外の美しい景観も楽しめれる素晴らしい場所なのです。

グリーニッケ橋 / Glienicker Brücke

アドレス: Königstraße, 14109 Berlin

入場料: 無料

開館時間: 屋外のため、いつでも訪問可能

Web-Site: グリーニッケ橋

グリーニッケ橋と周辺の様子を動画で撮影してきました。

監視塔の内部を訪れられるギュンター・リトフィン・メモリアル

ベルリンの壁の監視塔
再開発で住宅に囲われた監視塔

ベルリンの壁では壁への接近を妨げるために第二の壁が築かれ、壁と壁の間に警備のための無人地帯が作られていました。そんな無人地帯を監視するために監視塔が建てられ、そこで警備を行っていたのです。

監視塔は壁周辺に200棟以上が建てられましたが、現在では僅か数棟しか残っていません。そのような僅か数棟のうちの一つが、ギュンター・リトフィン・メモリアルです。こちらの塔は市内中心部にあり、実際に内部を訪れられる貴重な場所なのです。

ベルリンの壁の監視塔
監視塔内部は展示施設となっている。

監視塔はギュンター・リトフィン・メモリアルという名前が付けられていますが、壁を乗り越えようとして命を落とした人物の名前から取られています。1961年に8月にベルリンの壁が築かれますが、8月24日ギュンター・リトフィンは壁を乗り越えようとして、東ドイツの警備隊に銃撃され命を落としました。

そんな彼はベルリンの壁で命を落とした最初の人物になったのです。このような壁の悲劇を伝えるために、監視塔は展示施設として開放されており、訪れることができるのです。

ギュンター・リトフィン・メモリアル / Memorial Günter Litfin

アドレス: Kieler Str. 2, 10115 Berlin

入場料: 無料

開館時間: 11〜17時(5月から10月の土日のみ)

Web-Site: ギュンター・リトフィン・メモリアル

ベルリンの壁が崩壊してから30年以上の月日が流れました。それでは現在のベルリンの壁はどうなっているのでしょうか。こちらの記事では現在のベルリンの壁の様子について紹介しています。

ベルリンの壁崩壊35周年に合わせて、ベルリンでは大規模な記念イベントが開催されました。その様子をこちらの記事では紹介しています。

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