気持ち良く利用できる「壁の道」
「ベルリンの壁」跡地に整備された「壁の道」に従っていくと、気持ちよく自転車で道を進めることができます。
一部の場所では未舗装の場所もありますが、「テレビ朝日さくら平和通り」から東へと向かった道では、かなり長い距離がアスファルトで舗装された道となっていました。そのため自転車で走りやすく、本格的な装備をしたトレーニングを楽しむ人も時々見かけることがありました。
もちろんサイクリストのためだけでなく、ジョギングや散歩を楽しむ人たちも利用しています。「壁の道」は訪れた人それぞれのスタイルで楽しめるのです。
森の中を走る「壁の道」
ベルリン南部にある「壁の道」の特徴は木々に囲まれていることでした。場所によっては森のような場所となっており、自然を身近に感じることができます。
こうした森は場所によっては鬱蒼と茂っているのですが、「ベルリンの壁」横に広がる無人地帯(逃亡者の発見を容易にするための木々を伐採した見通しの良い場所)跡に広がっているようです。
おそらくですが、砂漠のようになっていた無人地帯が、今では植樹などによって自然がその力を取り戻しているのでしょう。こうした森の存在は「ベルリンの壁」が無くなってからの年月を実感させてくれます。「ベルリンの壁」は30年以上も前に崩れているのです。
眺めを楽しむことができる未舗装の道
私は「壁の道」だけを使うのではなく、時には「壁の道」と並行する未舗装の道を利用していました。というのも森の縁へと向かうと未舗装の道があり、そこからは東側だったブランデンブルク州の風景を楽しむことができるからです。
森の中を走ると自然を感じられますが、風景は変わることなく緑のトンネルを走っているような感じになります。一方で、森の縁からは視界を遮られることなく広大な耕地の広がる風景を楽しむことができるのです。未舗装であるため、自転車では心地良く先に進めるわけではありませんが、それを補う以上の風景がありました。
菜の花が生み出す風景
スタート地点である「テレビ朝日さくら平和通り」から東へ5キロほど「壁の道」を進むと、マリエンフェルデ(Marienfelde)と呼ばれる地区に入っていきます。ここからも前回でも取り上げたように、美しい風景を楽しむことができます。しかし前回の場所と異なるのは耕地に植えられているものでした。
前回の場所には麦が植えられていますが、こちらの耕地は菜の花が植えられています。もしこの場所を4月下旬から5月上旬に訪れるなら、一面に広がる黄色の花を楽しむことができるでしょう。地平線まで続く黄色の花々は圧巻です。そんな黄色のスペースの中を自転車で走り抜けるのは、「ベルリンの壁」を辿る人にとっては、その行程のハイライトになるに違いありません。