ベルリンの壁
Home » ベルリン » ベルリンの壁を訪れるなら、訪れておきたい場所7選

ベルリンの壁を訪れるなら、訪れておきたい場所7選

ベルリンの壁は冷戦時代を象徴するものです。それはベルリンの街を東側と西側に切り分けて、人々の暮らしを引き裂いていました。壁はドイツの東西分裂後の1961年に築かれましたが、東ヨーロッパの変革などの影響を受けて1989年に崩壊しています。

現在では壁の崩壊から30年以上の月日が流れました。その一部は残されているものの、多くは撤去されて街から姿を消しています。またドイツ再統一によって街の再開発が進み、壁の痕跡を見つけることも簡単でなくなりました。そこで、こちらの記事では壁が残された場所や、その痕跡を感じられる場所を7カ所を紹介したいと思います。

紹介するベルリンの壁

当時の壁の構造を見せるベルリンの壁博物館(ベルリンの壁メモリアル)と周辺エリア

ベルリンの壁博物館

ベルリンの中心部にあった壁をそのまま残しているのが、ベルリンの壁博物館とその周辺に整備されたエリアです。壁のほとんどは取り壊されていますが、博物館周辺では実物の壁が60メートルほど残されています。

また壁が無い場所にはポールを立てられており、そこに壁があったことを示すなど、壁の存在を感じることができるでしょう。壁の横に建てられている博物館では、ベルリンの壁に関する資料を展示するなど、壁について学べる場所となっています。

ベルリンの壁博物館

博物館と周辺エリアの特徴は、壁に合わせて壁に関連するものも保存しており、当時のベルリンの壁の様子を再現していることです。壁には、それに近付けないように築かれた第二の壁がありました。そして壁と第二の壁の間は障害物を取り除いて見渡しを良くして、警備を行っていたのです。

ここではベルリンの壁周辺の構造を当時のままに残しており、西側へと逃亡することがほとんど不可能であったことを気付かせてくれるでしょう。

ベルリンの壁博物館 (ベルリンの壁メモリアル)/ Gedenkstätte Berliner Mauer

アドレス: Bernauer Str., 10115 Berlin

入場料: 無料

開館時間:10〜18時(月曜休館)/ 周辺エリアは屋外のため、いつでも訪問可能

Web-Site:ベルリンの壁博物館

ベルリンの壁博物館はこちらで紹介しています。

イーストサイドギャラリー

ベルリン中心部では壁は川に沿って築かれていた場所もありました。そのような壁の一部を残しているのがイーストサイドギャラリーです。ここではベルリンの壁が1.3キロにもわたって残されており、壁には様々なイラストが描かれています。

街を切り裂いた壁はキャンヴァスとなって鮮やかなイラストを見せる場に生まれ変わっているのです。壁にイラストを描いたのは21カ国118人のアーティスト。そのスタイルは様々で、壁に沿って歩きながら、多くのイラストを楽しむことができるでしょう。

イラストの中で有名なのが、東ドイツとソ連の最高指導者が挨拶として口づけを交わした実際の様子を描いたもの。当時蜜月の関係にあった東ドイツとソ連の関係を表したものです。それが東西ドイツを引き裂いていた壁の上に描かれているため、壁の意味を深く考えさせるものといえるでしょう。

ここでは歴史を感じられるだけでなく、壁の上に描かれたイラストによって、アーティストたちの壁や平和への思いを感じられる重要な場所になっています。

イーストサイドギャラリー /  East Side Gallery

アドレス: Mühlenstraße 3-100, 10243 Berlin

入場料: 無料

開館時間:屋外のため、いつでも訪問可能

Web-Site:イーストサイドギャラリー

イーストサイドギャラリーについては、こちらの記事で紹介しています。

ドイツの歴史を感じさせる場所、テロのトポグラフィー

テロのトポグラフィーのベルリンの壁

ベルリンの壁が当時のまま連なった形で残されている場所は、わずか数カ所しかありません。そのうちの一つがテロのトポグラフィー前に残された壁です。こちらの場所はチェックポイント・チャーリーの近くにあり、およそ100メートルにわたってベルリンの壁が残されています。

残されている壁が一部でなく連なったものであるため、いかに壁がベルリンの街を切り裂いていたかを感じることができるでしょう。

テロのトポグラフィーのベルリンの壁

壁の裏側にあるのはテロのトポグラフィーと呼ばれる展示施設です。この場所はナチス政権時代に秘密警察であるゲシュタポが本部を構えていた場所でした。そのような場所で、ゲシュタポについてや、それが行ったことを伝える展示を行い、歴史の風化を防いでいるのです。

ここでは壁から東西ドイツ時代の歴史を感じられるだけでなく、テロのトポグラフィーから第二次世界大戦時のドイツの歴史を感じることができるのです。

テロのトポグラフィー / Topographie des Terrors

アドレス: Niederkirchnerstraße 8, 10963 Berlin

入場料:無料

開館時間: 10〜20時(壁は屋外のため、いつでも訪問可能)

休館日: 1/1、12/24、12/31

Web-Site:テロのトポグラフィー

ベルリン観光にお勧めなチェックポイント・チャーリー

チェックポイント・チャーリー

ベルリンの壁関連で最も有名な場所はチェックポイント・チャーリーかもしれません。東西分裂時のベルリンは壁で街が分断されていました。しかし東西の往来ができるように幾つかのチェックポイントがあり、西側の市民などが東側を訪問できるようになっていたのです。

チェックポイント・チャーリーはそのうちの一つで、ここでは外国人や政治家、そして軍関係者が利用していました。そんなチェックポイントで使われていた建物が再現されており、東西ドイツ時代の様子を思い浮かべられるようになっています。

チェックポイント・チャーリー

チェックポイント・チャーリーの特徴となっているのは、当時使用されていた建物の再現ですが、それ以外にも見所があります。それは取り付けられている巨大な写真です。かつての東側に向かってアメリカ兵の写真が取り付けられ、かつての西側にむかってソ連兵の写真が取り付けられています。

この場所では冷戦時に東西陣営の対立でアメリカ軍とソ連軍の戦車が対峙する事件がありました。そうした対立を、取り付けられた西側に向き合うソ連兵、東側に向き合うアメリカ兵の写真を通じて感じられるようになっているのです。

チェックポイント・チャーリー / Checkpoint Charlie

アドレス: Friedrichstraße 43-45, 10117 Berlin

入場料: 無料

開館時間: 屋外のため、いつでも訪問可能

Web-Site: チェックポイント・チャーリー

ベルリンの壁跡に植えられた桜、ボンホルマー通りの桜並木

ボンホルマー通りの桜並木

ボンホルマー通りは、チェックポイント・チャーリーと同様、東西の往来ができる場所でした。ここは西ドイツや西ベルリンに住む人だけが往来できる場所だったのです。しかし壁崩壊直後に、多くの東ベルリン市民が詰め掛け、ここから西側に向かったことでも知られています。

このような記録については、かつての検問所となった橋のたもとで展示が行われており、壁崩壊時の様子を感じることができるでしょう。

ボンホルマー通りの桜並木

ボンホルマー通りには壁がありましたが、現在では壁の跡に沿って桜が植えられています。これは日本で行われた募金によって植えられた桜の木で、春に美しい花を咲かせます。そのため、ここでは毎年春にピンク色の帯が生み出されるのです。

こうした桜並木はベルリンに数カ所ありますが、多くの桜が植えられ、市内中心部にあるのはここだけです。そのため壁跡地の桜並木を気軽に訪れたいのであれば、こちらを訪れると良いでしょう。

ボルンホルマー通り/ Bornholmer Straße

アドレス: 10439 Berlin

入場料: 無料

開館時間: 屋外のため、いつでも訪問可能

Web-Site: ボルンホルマー通り

歴史や自然を感じられるグリーニッケ橋

グリーニッケ橋

東西ドイツ時代にはベルリンは東ドイツ側にありました。そんなベルリンを東西で分割したため、西ベルリンは東ドイツにある陸の孤島になったのです。ベルリンの壁はそんな西ベルリンを囲むように築かれ、その全長は150キロにも及びました。

壁は市内だけでなく郊外にも築かれており、ベルリンとその隣街ポツダムの間にも築かれていました。その中でも最も有名な場所はグリーニッケ橋でしょう。ここでは橋が封鎖され、東ドイツ側だったポツダムの街と西側の西ベルリンを分断していたのです。

グリーニッケ橋

このような場所は冷戦下に東西のスパイを交換した場所として知られており、東西ドイツ時代の歴史的な場所といえるかもしれません。現在、壁などは撤去されており、東西ドイツが分断された場所から、周辺にある湖やその周りに広がる森などを眺めることができます。

今では湖など水遊びをしたり、湖岸をサイクリングするなど自然を楽しめる場所なのです。ここはベルリンの壁から歴史を感るだけでなく、郊外の美しい景観も楽しめれる素晴らしい場所なのです。

グリーニッケ橋 / Glienicker Brücke

アドレス: Königstraße, 14109 Berlin

入場料: 無料

開館時間: 屋外のため、いつでも訪問可能

Web-Site: グリーニッケ橋

監視塔の内部を訪れられるギュンター・リトフィン・メモリアル

ベルリンの壁の監視塔

ベルリンの壁では壁への接近を妨げるために第二の壁が築かれ、壁と壁の間に警備のための無人地帯が作られていました。そんな無人地帯を監視するために監視塔が建てられ、そこで警備を行っていたのです。

監視塔は壁周辺に200棟以上が建てられましたが、現在では僅か数棟しか残っていません。そのような僅か数棟のうちの一つが、ギュンター・リトフィン・メモリアルです。こちらの塔は市内中心部にあり、実際に内部を訪れられる貴重な場所なのです。

ベルリンの壁の監視塔

監視塔はギュンター・リトフィン・メモリアルという名前が付けられていますが、壁を乗り越えようとして命を落とした人物の名前から取られています。1961年に8月にベルリンの壁が築かれますが、8月24日ギュンター・リトフィンは壁を乗り越えようとして、東ドイツの警備隊に銃撃され命を落としました。

そんな彼はベルリンの壁で命を落とした最初の人物になったのです。このような壁の悲劇を伝えるために、監視塔は展示施設として開放されており、訪れることができるのです。

ギュンター・リトフィン・メモリアル / Memorial Günter Litfin

アドレス: Kieler Str. 2, 10115 Berlin

入場料: 無料

開館時間: 11〜17時(5月から10月の土日のみ)

Web-Site: ギュンター・リトフィン・メモリアル