ベルリンの壁と言えば、一つの街を二つに引き裂いていた壁です。そんなベルリンの壁はドイツの再統一によって無用の長物となり、壁は崩されました。そして今では展示のために残されているものを除いて、そのほとんどが撤去されたのです。
多くの壁があった場所には再開発によって真新しい建物が建ち並んでいます。実際にベルリンの街を歩いても、壁の痕跡は見つけることは簡単ではありません。そして壁がどこにあったかすらわからないでしょう。
そこで今回の記事では、ベルリンの壁がどこに築かれていたか、ベルリンの壁があった場所の地図、そしてその見つけ方を紹介します。
- ベルリンの壁の歴史、東西ドイツの誕生
- ベルリンの壁の建設、東西ベルリンの分断
- ベルリンの壁が築かれた場所 / ベルリンの壁の地図
- ベルリンの壁を場所を辿れる「壁の道」
- ベルリンの壁の情報をまとめたスマホ用アプリの活用
- ベルリンの壁を探しながら、壁について知る
ベルリンの壁を理解できる場所、楽しめる場所、印象的な場所など、お勧めの場所7ヶ所をこちらの記事で紹介しています。
ベルリンの壁の歴史、東西ドイツの誕生
ベルリンの壁の場所を紹介する前に、その歴史について紹介したいと思います。第二次世界大戦の敗戦国であるドイツは戦勝国に占領されることになりました。アメリカ、イギリス、フランスの西側陣営はドイツ西部を、東側のソヴィエト連邦はドイツ東部を占領したのです。
その際にドイツの首都であるベルリンも、東西陣営が同様に分割して占領することになりました。しかし戦勝国の東側と西側の対立は激しくなっていきます。そして1949年には西側陣営の占領する地域に西ドイツ(ドイツ連邦共和国)が、東側には東ドイツ(ドイツ民主共和国)が誕生したのでした。
ベルリンの壁の建設、東西ベルリンの分断
しかしドイツの東西分裂で大きな問題となったのは首都ベルリンでした。ベルリンは東西ドイツの中心にあるわけではありません。ベルリンは東側に位置しており、周りをソヴィエト連邦が占領する地域に囲まれていました。
東西ドイツの国境は1952年に閉鎖されましたが、ベルリンでは事情が異なりました。その時点で東ベルリンに住む人が西側へと通勤できたように、往来は自由だったのです。
しかし多くの東ドイツに住む人々が、ベルリンを経由して西側へと逃れるようになります。そのため東ドイツは1961年に東西ベルリンの境界部分にベルリンの壁を築いたのです。
ベルリンの壁が築かれた場所 / ベルリンの壁の地図
このように誕生したベルリンの壁ですが、もちろん築かれたのはベルリンの東西境界部分だけではありません。西ベルリンと東ドイツが接する部分にも壁が建てられ、西ベルリン全体がベルリンの壁に囲い込まれていたのです。
街の半分とはいえ、西ベルリンだけでも、かなりの広さがありました。その全体を囲っていたため、ベルリンの壁は150キロ以上の長さとなり、延々と伸びる壁が街の中にあったのです。(ベルリンの壁の場所は上記の地図で表示しています)。
また、ただ壁が築かれるだけでなく、監視塔や壁に人々の接近を妨げる第二の壁も存在していました。そのようなものが150キロ以上に渡って築かれていたのは、途方もないことだったことがわかるでしょう。
ベルリン便りではベルリンの壁や壁跡地をご案内します
ベルリンの壁個人ガイド
ベルリンの壁を場所を辿れる「壁の道」
このような壁ですが、冒頭でも説明したように、今では姿を消して、その痕跡を見つけることは簡単ではありません。ですが、ベルリンの壁の跡を辿る方法があります。それは「壁の道」と呼ばれるものです。現在では壁の跡は、それを辿れるように整備されています。
もちろん再開発などによって建物が建てられているため、正確に跡地を辿ることはできませんが、それでもおおよその場所を辿ることができます。「壁の道」は、その多くの場所で標識が取り付けられています。その表示を頼りにして壁探しをすることができるでしょう。
ベルリンの壁の情報をまとめたスマホ用アプリの活用
個人的に最も活用しているのは、ベルリンの壁に関連した情報をまとめたスマホ用アプリです。これには地図があり、壁があった位置を表示してくれます。また東西ベルリン間の壁だけでなく、壁への接近を妨げる第二の壁の位置も教えてくれます。
全ての情報は英語ですが、地図であれば英語であっても、気にすることなく使うことができるでしょう。他にも壁のどこで誰が命を落としたのかなど、壁に関連する情報を揃えており、壁が引き起こした悲劇についても掲載しています。そのため壁のあった場所を辿りながら、そこで起きた出来事を知ることができるでしょう。
The Berlin Wall アプリ (I phone用、アンドロイド用)
ベルリンの壁を探しながら、壁について知る
ベルリンを訪れるのであれば、ベルリンの壁を訪れる人も少なくないでしょう。そんな時は、ベルリンの壁跡地を辿る「壁の道」を辿ってみたり、ベルリンの壁の情報をまとめたスマホアプリを使って、情報を集めてみてはどうでしょうか。
そうすれば、わかりにくいベルリンの壁の場所を探すのに役立つでなく、壁に関連した様々な情報を見つけることもできるでしょう。そしてベルリンの壁についてもっと詳しくなれるはずです。
ベルリンの壁については、こちらの記事で紹介しています。
ベルリンの壁はほとんど残されていません。ですが、今もベルリンの壁がある場所、その痕跡を感じられる場所はこちらの記事で紹介しています。