ベルリンの街を二つに引き裂いていたベルリンの壁が崩壊してから多くの月日が流れました。今年2024年11月9日は、崩壊から35年目の記念日です。そのためベルリンでは大規模な記念イベントが11月8日と9日に開催されました。
そこでは世界を変える出来事を思い起こさせるものとなっていました。そんなイベントについて、こちらの記事では紹介しています。
無数のメッセージが生み出したベルリンの壁
冷戦時代に、ベルリンの街の西側は155キロにも及ぶ壁によって囲われていました。そんな壁はドイツ再統一後に姿を消しており、今ではその姿を見ることができる場所は僅かしかありません。今回のイベントでは、そんなベルリンの壁が再び姿を現すことになったのです。
今回のイベントで現れたのは、無数に並ぶプラカードよって生み出された壁でした。そのプラカードとは、当時の市民が掲げたメッセージのレプリカです。それに現代の市民による「平和」や「自由」へのメッセージが加えられて、街の中心部に並べられたのです。
様々なスタイルの「平和」や「自由」へのメッセージ
こうした無数のメッセージには様々なものがありました。言葉のみ書かれたものもあれば、イラスト付きのものもあります。また目を引きつける綺麗なイラストもあれば、子供が書いたために文字が読み取れないようなものもありました。
そんな多種多様で、多くの人が書いた無数のメッセージが壁を再び作り出していたのです。こうした壁は35年前にあった壁とは対象的に誰もが通り抜けることができ、そして「平和」と「自由」の重要さを改めて考えさせてくれるものとなっていました。
ブランデンブルク門やチェックポイント・チャーリーでのステージ
無数のメッセージが生み出す壁に沿って歩いていくと、幾つかのステージがありました。それは観光地として知られる、チェックポイント・チャーリー、そして東西ドイツの統一の象徴でもあるブランデンブルク門です。
共に東西ドイツ時代に人々が通り抜けることのできない場所になっていたところです。しかし今では、誰もが通り抜けられる場所となっています。そんなベルリンの壁を象徴するような場所に、イベントのステージが作られていたのです。
多くの人々が参加した演奏
ブランデンブルク門前には、多くのスクリーンがあり、そこには平和と自由のメッセージをが次々に映し出されています。多くのミュージシャンが、そんな個性的なステージの上で演奏をしていたのです。このような多くのミュージシャンによる演奏が行われたのは、ブランデンブルク門のステージだけではありません。
合計5カ所のステージで、多くのミュージシャンが参加する演奏が行われたのです。それは同時中継によって多数のミュージシャンが加わる大演奏となりました。それだけでなく会場に集まった人々が歌うことで、大合唱となっていたのです。
会場で感じられた一体感
このような大合唱で感じられたのは、演奏の技術でも歌声の美しさでもありませんでした。そこで感じられたのは、多くの人々が集まって共に歌うことで生まれる一体感だったのです。無数に集まるプラカードからも感じられたのですが、スタイルも好みも異なる人々が、一つに力を合わせる一体間の力強さでした。
こうした一体感は、ベルリンの壁を崩すために行われたデモなどを思い起こさせるものと言えるでしょう。壁を崩壊させたのは、東ドイツであれ、西ドイツであれ、多くの人々が強い思いと、それを実現させた力の結集だったのです。そんな1989年にあった一体感を会場では感じることができたのです。
ベルリンの壁崩壊35年後に感じられた平和と自由の重要さ
今から35年前の1989年に世界を変える出来事がベルリンで起きました。そんな出来事を、今回のイベントでは思い起こすことができたのです。今回のイベントは、なぜ多くの人々が壁を打ち崩そうとしたのか、それによってもたらされたのが何だったのか、改めて考えるも機会にもなっています。
私は、それがもたらしたものが、平和と自由であったことを改めて感じることができました。
ベルリン便りではベルリンの壁や壁跡地をご案内します
ベルリンの壁個人ガイド
ベルリンの壁崩壊35周年記念イベント / 35Jahre Mauer Fall
開催日:2024年11月8、9日
Website: https://www.mauerfall35.berlin/en/event/open-air-installation/
ベルリンの壁については、こちらの記事で紹介しています。