ベルリンを訪れた場合には、おそらく公共の交通機関を使うことになるでしょう。ですが、改札口がなかったり、バスや地下鉄といった異なる乗り物に同じ乗車券で乗れるなど、驚くことが多いかもしれません。そのため旅行で訪れた際に戸惑うことにもなるでしょう。
今回は、そんなわかりにくいベルリンの公共機関の使い方について紹介します。
- ベルリンの公共交通機関の運営会社
- ベルリンの公共交通機関の種類
- 乗車券はゾーンで購入
- ベルリンの公共交通機関の路線図
- 乗車券の種類
- 空港から市内への移動
- ベルリンからポツダムへの移動
- 駅には改札がないため必ず乗車券に打刻が必要
- 打刻しない場合は無賃乗車として罰金
- バスの乗り方
- バスでの乗車券の購入方法
- 路面電車の乗り方
- 路面電車での乗車券の購入方法
- Sバーン、地下鉄、ドイツ鉄道の乗り方
- チケット購入はスマホアプリがお勧め
- ベルリンの公共交通機関で気を付けたいこと
ドイツ便りではお好きな場所にご案内します
ベルリンの個人ガイド
ベルリンの公共交通機関の運営会社
ベルリンの交通機関の運営会社(ベルリンで地下鉄、市バス、路面電車/トラム、フェリーを運行)
- ベルリン市交通局(通称BVG)/ Berliner Verkehrsbetriebe
ベルリンで運行されている運営会社の異なるその他の交通機関
- Sバーン、ドイツ鉄道、地域鉄道
ベルリンなど周辺地域を束ねる交通グループ
- ベルリン・ブランデンブルク交通連合(通称VBB)/ Verkehrsverbund Berlin Brandenburg
ベルリンには公共交通機関の運行を行う会社、 ベルリン市交通局があり、地下鉄、市バス、路面電車/トラム、そしてフェリーを運行しています。
それ以外に異なる運営母体の、Sバーン、ドイツ鉄道、地域鉄道があります。
ベルリン市交通局や、Sバーン、ドイツ鉄道、地域鉄道はベルリン周辺地域の公共交通機関が構成するベルリン・ブランデンブルク交通連合に所属しています。そのためベルリン・ブランデンブルク交通連合に属する公共交通機関の乗車券を購入すれば、それに所属する他の交通機関も利用できるのです。
なお運営会社が異なるため、ストライキがある場合、異なる運営会社が同時にストライキを起こすことはまれです(ベルリン市交通局がストライキを起こす場合、地下鉄、路面電車、バス、フェリーが運休します)。

東ドイツ鉄道(Ostdeutsche Eisenbahn)の車両に付けられているベルリン・ブランデンブルク交通連合(通称VBB)のマーク。
ベルリンの公共交通機関の種類
ベルリンの公共交通機関(BVG)
- 市バス(Bus)
- 地下鉄(U-bahn)
- 路面電車(Tram)
- フェリー(Fähr)
BVG以外のベルリンの公共交通機関(BVGのチケットで使用可能)
- Sバーン(S-bahn)
- ドイツ鉄道の列車(Deutsche Bahn)/ ABCゾーン内のみ、高速列車を除く
- 地域鉄道(Ostdeutsche Eisenbahnなど)
ベルリンでは運営会社が異なっていますが、市内の公共交通機関はいずれもベルリン・ブランデンブルク交通連合に所属しています。そのためベルリン・ブランデンブルク交通連合所属の公共交通期間の乗車券を購入する場合、下記ものを利用することができます。
バス(Bus)
ベルリンの市内各所を結んでいます。特に旧西ベルリンは路面電車が無いため、西側を移動する際に重宝します。

地下鉄(U-bahn)
計9本の路線があります。路線名は1から9までの数字となっています。

路面電車(Tram)
旧東ベルリン側に多く路線があります。市内中心部には路線が多いため、移動に便利です。

フェリー(Fähr)
バンゼーなど大きな湖で渡し船として運行しています。

Sバーン(S-bahn)
都市近郊鉄道と呼ばれるもので鉄道で、ベルリンとポツダム間のように隣接する都市を結んでいます。駅間の距離が長く、短時間で長距離を移動することができます。

ドイツ鉄道(Regionalzüge)
ドイツ鉄道による路線で、遠距離にある都市とベルリンを結んでいます。そのためポツダムなど周辺の町を訪れる際に利用することになるでしょう。RE(Regional-Express)や、RB(Regionalbahn)が運行されています。

地域鉄道(Ostdeutsche Eisenbahnなど)
東ドイツ鉄道(Ostdeutsche Eisenbahn)はブランデンブルク州周辺に路線を持つ鉄道会社です。こちらもベルリン・ブランデンブルク交通連合に所属しており、ベルリンからポツダムに移動する際に利用できます。

乗車券はゾーンで購入
- 市内の公共交通料金はゾーンで区切られる
- 中心部はAゾーン、郊外はBゾーン、隣街や空港はCゾーン
最も頭を悩ませるのは乗車券です。ドイツの多くの公共交通機関は「ゾーン」で料金を定めており、利用する際に困惑するでしょう。乗車券は出発地、目的地、そして通過する場所を含む「ゾーン」のチケットを買ってください。
ベルリン中心部がAゾーンとなっています(基本的にはベルリンの中心部を囲む環状線の内側がAゾーンです)。そして、環状線を囲む外周部分がBゾーンとなります。そしてさらに離れたエリア、例えば隣町のポツダムがCゾーンとなります。簡単に言えば、ベルリン市内Aゾーン、ベルリン郊外Bゾーン、ベルリン隣接の町がCゾーンです。
例えば、ベルリンの空港があるCゾーンから、市内中心部のAゾーンに行く場合は、Bゾーンを通ることになります。そのためチケットはABCゾーンを購入しなくてはいけません。
なお、ゾーン内のバス、地下鉄、路面電車、フェリー、Sバーン、ドイツ鉄道(高速列車を除く)、地域鉄道はいずれも利用することができます。

ベルリンの公共交通機関の路線図

ベルリンのSバーン、地下鉄、路面電車の路線図は下記のリンクより、PDFデータをダウンロードできます。

路面電車の路線図は下記のリンクから、PDFデータをダウンロードできます。
ポツダムはCゾーン
ポツダムはベルリンのABCゾーンのCにあたります。そのためベルリンから出かける場合にはABCゾーンのチケットを購入すれば大丈夫です。
ベルリン・ブランデンブルク国際空港はCゾーン
「空港から市内への移動」でも説明していますが、ベルリン・ブランデンブルク国際空港はCゾーンとなります。空港から市内中心部へと向かう場合にABCゾーンのチケットを購入してください。

乗車券の種類

主な乗車券は4種類+自転車用のチケット
- 短距離利用 / Kurzstrecke
- 片道乗車券 / Einzelfahrschein
- 1日乗車券 / 24-Stunden-Karte
- 7日乗車券 / 7-Tage-Karte
- 自転車持ち込みチケット / Fahrrad Ticket
乗車券の種類は幾つかありますが、主なものは下記の4種類です。短距離利用のKurzstreckeチケット、利用するゾーンで購入するEinzelfahrschein。1日乗車券として利用できる24-Stunden-Karteです。そして1週間利用できるのが7-Tage-Karte。また自転車を持ち込む際には、そのためのチケットも購入しなくてはいけません。
短距離チケット/Kurzstrecke
Kurzstreckeチケットは短距離乗車券のことです。地下鉄とSバーンでは3駅乗車可能です。路面電車とバスは6停留所が乗車可能です。ただし乗り物を変えて乗り継ぐことはできません。
注: 6歳未満は無料
注2:乗り換え不可
| 通常価格 | 割引価格(6〜14歳) |
| 2.8 Euro | 2.1 Euro |
片道乗車券/Einzelfahrschein
EinzelfahrscheinはABゾーンチケット、ABCゾーンチケットがあります。こちらは2時間有効です。ただし片道でしか利用できません。往復では利用できないので気を付けて下さい。ゾーン内で片道区間であれば、距離や駅数に制限はありません。価格はゾーンごとに異なります。
注: 6歳未満は無料
注2: 利用可能時間は2時間
| ゾーン | 通常価格 | 割引価格(6〜14歳) |
| AB | 4.0 Euro | 2.5 Euro |
| ABC | 5.0 Euro | 3.5 Euro |
1日乗車券/24-Stunden-Karte
24-Stunden-Karteは文字通り24時間利用できる1日乗車券です。打刻してから24時間利用できます。他の乗車券は制約が多く、乗車券を買うのも手間がかかるため、個人的には24-Stunden-Karteの購入をお勧めします。こちらの乗車券も価格はゾーンごとに異なります。
注: 6歳未満は無料
注2:打刻から24時間利用可能
| ゾーン | 通常価格 | 割引価格(6〜14歳) |
| AB | 11.2 Euro | 7.4 Euro |
| ABC | 12.9 Euro | 8.0 Euro |
7日乗車券 / 7-Tage-Karte
7-Tage-Karteは連続した7日間利用できる乗車券です。打刻してから最終日の夜0時まで利用できます。
注: 6歳未満は無料
| ゾーン | 通常価格 |
| AB | 44.6 Euro |
| BC | 45.7 Euro |
| ABC | 52.7 Euro |
自転車用乗車券 / Fahrrad Ticket
ドイツの鉄道では多くの会社で自転車を持ち込むことができ、ベルリンでも例外ではありません。ただし持ち込む際には追加で自転車用の乗車券を買う必要があります。もちろん人間用の乗車券に加えて、自転車用の乗車券が必要であるため、両方の乗車券を購入するようにしてください。
| チケットの種類 | 価格 |
| 短距離利用(ABゾーン) | 1.9 Euro |
| ABゾーン | 2.7 Euro |
| ABCゾーン | 3.3 Euro |
| ABゾーン1日乗車券 | 5.9 Euro |
| ABCゾーン1日乗車券 | 6.7 Euro |
BVG(Berliner Verkehrsbetriebe)によるチケットと料金の説明

空港から市内への移動
- ABCゾーンチケット/5ユーロ
ベルリンには「ベルリン・ブランデンブルク国際空港」があります。ベルリン・ブランデンブルク国際空港は郊外のCゾーンに位置しています。ベルリン中央駅や博物館島などの中心部はAゾーンに位置しています。そのため空港から市内中心部に移動するなら、AゾーンもCゾーンも利用できるABCゾーンの乗車券を購入してください。価格は5ユーロです。
空港から市内中心部に移動して、その後に観光などで多くの場所を移動するのであれば、ABCゾーンを利用できる1日乗車券を購入すると良いでしょう。ABCゾーンの1日乗車券の価格は12.9ユーロです。
ベルリン・ブランデンブルク国際空港からベルリン中央駅に向かう場合、下記の列車を利用することができます。いずれもABCゾーンチケットで利用することができます。
- Airport Express (FEX)
- RE8
- S9
(ベルリン中央駅には向かいませんが、他にもベルリン市内に向かう列車、RB24 Nord、RB32、S45があります。)
ベルリンの空港については、こちらの記事で紹介しています。

ベルリンからポツダムへの移動
- ポツダムはCゾーンに位置(ABCゾーンチケット/5ユーロ)
- ベルリンからポツダムへの移動は40分程度
- ポツダムでも移動できる1日乗車券(ABCゾーンがお得)
ポツダムはCゾーンに位置しています。そのためベルリンからポツダムへ移動して、さらにポツダムで乗車券を購入する必要はありません。
ベルリン中央駅からは下記の路線を利用できます(共に直通)。
- S7
- RE1
ABCゾーンが利用できる1日乗車券なら、ベルリンとポツダムの往復、ポツダム市内の移動に利用できるため便利です。

駅には改札がないため必ず乗車券に打刻が必要
ドイツの公共交通機関の多くは改札口がありません。そのため、どのように公共交通のバスや電車を使うのか混乱する人も多いでしょう。乗車券を購入した場合、必ず打刻と呼ばれる乗車券に駅名や使用時刻を入れなくてはいけません。
例えば、片道乗車券/Einzelfahrscheinは打刻を入れてから2時間有効(ただし片道のみ)です。紙の乗車券を買う際には開始時刻が入っていません。そのため打刻で使用開始時刻を入れなくてはいけないのです。
そのため駅では改札の代わりに打刻が必要なのです。打刻用の機械は券売機近くにあります。それに乗車券を入れて情報を記入させてください。(アプリでの購入では、購入時に使用開始時刻が記録されます。そのため打刻は必要はりません)

打刻しない場合は無賃乗車として罰金
- 不正乗車は60ユーロの罰金です
改札がないため不正乗車できると思う人もいるでしょう。ですが乗車券の検札を車内で行われることがあります。場合によって1日に2度3度遭遇することもあるでしょう。
乗車券を持たない場合は不正乗車とみなされて、60ユーロ(2025年1月現在)の罰金を払うことになります。乗車券があっても、打刻を行っていなければ、不正乗車とみなされて罰金を払うことになります。
BVG(Berliner Verkehrsbetriebe)による罰金の説明
バスの乗り方
打刻
一般的にバスの車内の運転手の後方に打刻機があります(乗り換えでバスを利用する場合には、打刻の必要はありません)。
乗車
バスの運転手側の入り口ドアから入り、乗車券を見せる、もしくは乗車券を購入する形でバスに乗ります。
出入り口のドア付近に立たないことをお勧めします。ドアのセンサーが反応して閉じないことがあります。(一般的に黄色い線で立ってはいけないエリアが表示されています)
降車
下車する停留所が表示されたら、「Stop」のボタンを押して、バスが停留所に止まるようにします。
停留所に停まったら、いずれの出入口から降りても大丈夫です(ただし運転手側は入り口になるので、避けた方が良いでしょう)。
バスでの乗車券の購入方法
停留所に券売機を設置しているところは基本的にありません。
バスで乗車券を購入する際、運転手にお願いして購入することになります。そのため少し面倒でしょう。打刻のための機械はバスの車内にあるので、乗車券を購入した後で行うことができます。
運転手に購入したい乗車券などを伝えることが難しい場合には、スマホアプリで乗車券を購入して、それを見せた方が簡単です。

路面電車の乗り方
券売機
一般的に路面電車内に券売機が設置されています。そのため車内で購入することができます。
打刻
車内に打刻機があるため、車内で乗車券を購入した場合には打刻してください。乗り換えで路面電車に乗った場合には必要ありません。
乗車
路面電車の利用の場合、どのドアを利用しても大丈夫です。運転手に乗車券を見せる必要はありません。
ドアの開閉
出入り口のドアに開閉ボタンがあります。それを押してドアを開けます。ドアのボタンを押さないとドアが開かないので気をつけてください。降車の場合も車内にあるドア上の開閉ボタンを押してください。
降車
下車する停留所がモニター表示されたら、「Stop」のボタンを押して、路面電車が停留所に止まるようにします。降車はどのドアらも可能です。
停留所に停まったら、いずれの出入口から降りても大丈夫です。
路面電車での乗車券の購入方法
路面電車内には券売機や打刻機が設置されています。そのため車券を買うことができ、また乗車券を買うことで必要となる打刻も行うことができます。運転手にお願いすることなく、簡単に乗車券の購入などができます。

Sバーン/地下鉄/ドイツ鉄道の乗り方
改札口
改札口はありません。
券売機
駅構内に設置されています。故障しているものが多いためアプリでの購入を強くお勧めします。
打刻
打刻機は駅の構内にあります(打刻は最初の乗車の際に必要です)
ドアの開閉
出入り口のドア上に開閉ボタンがあります。それを押してドアを開けます。ドアのボタンを押さないとドアが開かないので気をつけてください。降車の場合も車内にあるドア上の開閉ボタンを押してください。

チケット購入はスマホアプリがお勧め

乗車券は自動券売機があり、駅などで購入することができます。ただ券売機の故障が多く、利用できなかったり、お札を認識しないことが頻繁にあります。そしてチケットが購入できないかもしれません。そのためスマホアプリの活用をお勧めします。
アプリで購入する方が簡単で券売機の故障に悩まされることもありません。また路線図も掲載されているのでアプリが役に立つでしょう。
ベルリンの公共交通機関で気を付けたいこと
気をつけたいのは下記の項目です
- 遅延
- ストライキ
- スリ
- 工事
- 強引なドアの開閉
公共交通機関の遅延
遅延が多く発生するため、時間通りに来ることを期待しない方が良いです。一番気を付けたいのは、冬季のバスや路面電車の利用です。気温が氷点下まで下がっている状態で、遅延に遭遇すると体調を崩すことにもなります。個人的には屋外で長時間待つことにならないように、冬には地下鉄や鉄道で移動するようにしています(本数の少ない路線のバスは遅延が起きると、寒空の下で長時間待たされる可能性があります)。
多発するストライキ
またドイツでは頻繁にストライキが行われます。そのため公共交通機関のストライキで使えないこともあります。こうしたストライキの可能性も考えることをお勧めします。また下記のページではドイツのストライキ情報を簡単にまとめています。ストライキが心配な方は参考にしてください。
| 都市名 | 日時 | ストライキの内容 | 交通機関 | 公式情報 |
|---|---|---|---|---|
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スリなどによる盗難
公共交通機関は多くの観光客が利用するため、スリによる盗難が多く発生しています。例えば、電車などで乗り降りの際に、人混みに紛れて財布などを盗むケースが多発しています。こうしたスリにも気をつけましょう。
ドイツの鉄道会社が警告するスリのテクニックをこちらの記事で紹介しています。
工事
残念なことにドイツ全体で公共交通機関の工事は非常に多いです。ベルリンも例外ではありません。主要な路線にもかかわらず、数週間工事によって不通になることも普通にあります。
一番困るのは夜間に行われる工事です。日中に使えた路線が夜間に工事によって不通となることが多く、ベルリンに住んでいる人間でも混乱します。しかも代替の交通手段の説明がわかりにくく、代替バスのバス停を暗闇の中で探すのは簡単ではありません。夜間にこうした状況に遭遇したら、タクシーを使うのが無難です。
ベルリンのバス、路面電車、地下鉄の不通や制限区間(Construction measures and traffic disruptionsに表示)
強引なドアの開閉
2025年5月よりベルリンの公共交通機関では罰則を改正しました。それにより強引にドアを開けたままにして乗り込む行為が罰金対象となります。罰金は50ユーロとなるので、滑り込み乗車などでドアを強引に開けないようにしてください。

ベルリンには多くの素晴らしい観光スポットがあります。公共交通機関を活用して訪れましょう!
ベルリン旅行に役立つ情報は、こちらの記事で紹介しています。










