多くの人がドイツを安全な国だと思われているでしょう。しかし残念ながら10万人あたりの犯罪率では、日本の10倍以上です。もちろん、その多くが窃盗などの軽犯罪であるため、決してドイツが危険な国とは言えないのですが、ドイツ旅行では注意する必要があるでしょう。
特に観光客が遭遇する可能性があるのはスリでしょう。実際にドイツの首都ベルリンでは2022年に35,000件のスリや盗難が報告されています。スリが多く報告されているベルリンの鉄道Sバーンでは、そのホームページでスリのテクニックを紹介しています。
そこで、今回の記事ではスリのテクニックについて紹介したいと思います。ぜひスリのテクニックを知って、その対策をしてみてください。
目次
- 乗り降りを利用したテクニック
- 背中を向けさせて背後から盗むテクニック
- 酔い潰れを狙うテクニック
- 強引なポケットを切り裂くテクニック
- 古典的な服を汚すテクニック
- 地図を使ったテクニック
- 両替で気をそらすテクニック
- 親切心を装うテクニック
- 車外から気をそらせるテクニック
1、乗り降りを利用したテクニック
停車中の電車の中で犯人がターゲットに近付き、発車直前に携帯や貴重品などを奪って駅へと逃げてしまうテクニックです。ターゲットは車内にいるため、車外に逃げる犯人を追いかけることができません。このテクニックには電車に降りる際や乗る際のすれちがいざまに盗難する手法もあります。
対処法は人が間近を通り過ぎるような状況では、財布などの貴重品に注意を払うことです。バックはすれ違いざまに手を入れられるので、閉じられるタイプのものにすると良いでしょう。
2、背中を向けさせて背後から盗むテクニック
バスや電車の混んでいる車内で不必要に接近して、ターゲットに不快感を与えて、背中を向けさせます。その後に犯人は注意がおろそかになりがちな背後から財布や携帯などを盗むというテクニックです。
対処法としては、不必要に近付く人物から離れることです。基本的に不必要に近付いてくること自体がおかしいからです。また貴重品に注意を払えるように、財布のポケットに手を入れておくことなども対策になるでしょう。
3、酔い潰れを狙うテクニック
夜間の電車やバスで、飲んだ後に眠り込んだ人をターゲットにするスリのテクニックです。犯人は遅い時間帯にカモとなるターゲットを探しているので要注意です。中には介抱をするふりをして、酔いつぶれたターゲットから貴重品などを盗む手法もあります。
お酒を飲んだ後、遅い時間帯に公共交通機関で移動するのはお勧めしません。飲む場合にはタクシーなどで宿泊先に戻る、もしくは宿泊場所の近くで飲むようにしましょう。
4、強引なポケットを切り裂くテクニック
日本では考えられないようなやり方です。混み合う車内などで犯人がターゲットの背後に立ち、鋭利な刃物で気付かれないように後ろポケット切り裂いて、財布を抜き取るテクニックです。
対策法としては見知らぬ人に背後に密着されるような状況を作られることに気を付けましょう。
5、古典的な服を汚すテクニック
ATMなどでお金を引き出した後に、犯人が偶然を装ってターゲットに近寄り、服を汚します。そして汚れたところを綺麗にするように見せかけて、財布などから気を逸らせます。最終的に注意がまわらなくなった財布を盗み取るテクニックです。
対処法ですが、お金を引き落とした際に周りに念入りに気を配りましょう。またスリのテクニックでは、とにかく貴重品などからあの手この手で気を逸らせるようとにします。そのため、どんな状況でも貴重品に注意を注げるようにしましょう。
6、地図を使ったテクニック
古典的なテクニックですが、ターゲットに対して地図を広げて場所を聞き、貴重品などから注意を逸らせます。そして広げた地図で作った死角を利用して、そこから貴重品などを盗むテクニックです。
昔からある手法です。そもそもドイツ語や英語がわからなければ、わからないと説明して立ち去るのも一つの方法です。話しかけられても財布や貴重品に対してとにかく注意を逸らさず、対応することが重要です。
7、両替で気をそらすテクニック
犯人はお金の両替をターゲットに依頼をします。その時に両替したい硬貨を伝える隙をついて、お札を盗むというテクニックです。財布を出す理由を作り、その上で硬貨に気を逸らせて、お札を盗み取るのです。
対処法は両替を安易に引き受けないことです。観光地であれば、美術館や博物館では確実に両替ができるので、そうした場所に両替に行くよう伝えるが無難でしょう。
8、親切心を装うテクニック
ターゲットが多くの荷物を持っている時に、犯人の1人が荷物を運ぶことを手助けをします。その時にわざと先に行ってしまうなど、注意がそちらに向けて、その隙に共犯者がターゲットに近づいて貴重品を盗むテクニックです。
対処法は、安易に荷物を運んでもらわないようにすることです。もちろん親切心から手伝ってくれる人もいるため、断りにくいかもしれません。ただ不必要な状況で荷物を運んでくれるのは疑った方が良いでしょう。
9、車外から気をそらせるテクニック
ターゲットが停車中の電車に乗っており、それ対して車外から窓を叩いたり、話しかけるなどして気を逸らせます。注意がおろそかになった時に、車内から共犯者がターゲットから貴重品などを盗むテクニックです。
そもそも車外から車内に話しかける状況自体が普通ではありません。海外だからあり得ると思ってしまうかもしれませんが、ドイツでは一般的に見かけない行為ですので、車外から話しかけられたとしても、適当に受け流す方が良いでしょう。