ポツダムは世界遺産に指定されているサンスーシ宮殿があるため、ドイツ旅行の際に訪れる人は少なくないでしょう。その場合には、鉄道やバスなどの公共交通機関を利用することになります。
しかしドイツの公共交通機関は、改札口がなかったり、バスや地下鉄といった異なる交通手段に同じ乗車券で乗れるなど、驚くことが多いかもしれません。そのため旅行で訪れた際に戸惑う人もいると思います。¥。
そこで今回は、そんなわかりにくいポツダムの公共機関の使い方について紹介します。
(情報は2025年1月現在の情報です。2026年に乗車券が値上がりする予定が発表されました。)
- ベルリンから日帰りならベルリンでABCゾーンの乗車券
- ポツダムの公共交通機関の運営会社
- ポツダムの公共交通機関の種類
- ポツダムの公共交通機関の乗車券のゾーン
- ポツダムの公共交通機関の路線図
- 切符の種類と価格
- 市バス、シュトラーセンバーン/路面電車、Sバーンの乗り方
- 気を付けなくてはいけないこと / 乗車券に打刻が必要
- チケット購入はスマホアプリがお勧め
- スリなどによる盗難に注意
- ストライキに注意
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ポツダムの個人ガイド
ベルリンから日帰りならベルリンでABCゾーンの乗車券
ベルリンからポツダムへ日帰り旅行するのであれば、ベルリンのABCチケットを利用すると良いでしょう。1日乗車券を使えば、ベルリンからポツダムへの移動、ポツダム市内での移動、ポツダムからベルリンへの移動で利用することができます。
ポツダムの公共交通機関の運営会社
ポツダム市内の交通機関の運営会社
- Verkehrsbetrieb Potsdam / 交通局ポツダム
ポツダム市やベルリンなど周辺地域の交通グループ
- Verkehrsverbund Berlin-Brandenburg (通称 VBB)/ 交通連合ベルリン・ブランデンブルク
ポツダム市で運行されている運営会社の異なるその他の交通機関
- Sバーンやドイツ鉄道
ポツダム市には公共交通機関を運営する会社、交通局ポツダム(Verkehrsbetrieb Potsdam) があります。交通局ポツダム はバスとシュトラーセンバーン(路面電車)を運営しています。
それ以外にもSバーンやドイツ鉄道がポツダム市内で公共交通機関として運行されています。
交通局ポツダムや、運営会社の異なるSバーンやドイツ鉄道(ポツダム市内)はポツダムやベルリン市周辺地域の公共交通機関が構成する交通連合ベルリン・ブランデンブルク(通称 VBB)に所属しています。そのため、交通局ポツダムの乗車券を購入すれば、VBBに所属する交通機関が利用できるのです。
ポツダムの公共交通機関の種類
ポツダムの公共交通機関
- 市バス(Bus)
- シュトラーセンバーン/路面電車(Straßenbahn)
- Sバーン(S-bahn)
- ドイツ鉄道の列車(Deutsche Bahn)/ 高速鉄道を除く
市バス(Bus)
バスは市内各所を結んでいます。そのため市内を移動する際に利用することになるでしょう。ポツダム中央駅からサンスーシ宮殿へと訪れる場合、バスなら宮殿のすぐ裏まで移動できます。。
シュトラーセンバーン/路面電車(Straßenbahn)
ポツダム市内の各所を繋ぐ路面電車です。合計7本の路線があります。そのため市内を移動する際に利用することになります。市内中心部では駅間が短く、目的地近くまで移動することができます。地下部分を走る路線もあり、地下鉄にも似ています。
Sバーン(S-bahn)
都市近郊鉄道と呼ばれるもので鉄道で、ポツダムとベルリンのように周辺都市と結ばれています。駅間の距離が長く、短時間で長距離を移動することができます。
地域鉄道/ドイツ鉄道(Regionalzüge)
ドイツ鉄道による路線で、ポツダムと遠くの都市を結んでいます。そのため周辺の町を訪れる際に利用することになるでしょう。RE(Regional-Express)や、RB(Regionalbahn)が運行されています。
ポツダムの公共交通機関の乗車券のゾーン
- ポツダム市内と周辺部は3つのゾーン(A、B、C)
- 中心部はゾーンA、市内周縁分はゾーンB、郊外エリアはゾーンC
- 利用するゾーンを含む乗車券を購入する必要あり
ドイツの多くの公共交通機関は「ゾーン」と呼ばれるエリアで料金を定めています。重要なのは、乗車券は出発地、目的地、そして通過する場所を含む「ゾーン」を含むチケットを買うことです。
大都市の場合には複数のゾーンで構成されています。ポツダムの場合は3つのゾーンで構成されています(中心部のA、中心周縁部のB、郊外エリアのC)。
例えば、中心部から郊外へと向かう場合には、Aが出発点となり、Bを通って、Cに辿り着きます。多くのゾーンを通過することになり、それは多くの距離を移動したことになります。そのため通過したゾーンの数で料金が決定されるのです。また、この場合はABCゾーンを利用する乗車券が必要となります。
なお、ゾーン内の市バス、シュタットバーン/路面電車、Sバーン、ドイツ鉄道(高速列車を除く)は、いずれも利用することができます。
ポツダムの公共交通機関の路線図


切符の種類と価格
ポツダムの公共交通機関を利用する際に利用する主な乗車券は下記のものになります。(ベルリンからの移動、もしくはベルリンへの移動となる場合には、ベルリンのABCゾーンの乗車券を購入してください。)
- 短距離利用 / Kurzstrecke
- 通常チケット / Einzelfahrschein
- 1日乗車券 / 24-Stunden-Karte
- グループ1日乗車券/24-Stunden-Karte Kleingruppen
短距離チケット/Kurzstrecke
Kurzstreckeチケットは短距離乗車券のことです。シュトラーセンバーン/路面電車は3停留場(4停留所まで)利用可能です。
注1:6歳未満は無料
| 通常価格 | 割引価格(6〜14歳) |
| 2.0 Euro | 1.5 Euro |
注1:6歳未満は無料
通常チケット/Einzelfahrschein
EinzelfahrscheinはABゾーンチケット、BCゾーンチケット、ABCゾーンチケットがあります。こちらは2時間有効です。ただし片道でしか利用できません。往復では利用できないので気を付けて下さい。ゾーン内で片道区間であれば、距離や駅数に制限はありません。価格はゾーンごとに異なります。
注1:打刻から60分間利用できます。
注2:6歳未満は無料
| ゾーン | 通常価格 | 割引価格(6〜14歳) |
| AB | 2.8 Euro | 2.0 Euro |
| BC | 2.8 Euro | 2.0 Euro |
| ABC | 3.8 Euro | 2.6 Euro |
1日乗車券/24-Stunden-Karte
24-Stunden-Karteは文字通り24時間利用できる1日乗車券です。打刻してから24時間利用できます。他の乗車券は制約が多く、乗車券を買うのも手間がかかるため、個人的には24-Stunden-Karteの購入をお勧めします。こちらの乗車券も価格はゾーンごとに異なります。
注: 6歳未満は無料
| ゾーン | 通常価格 | 割引価格(6〜14歳) |
| AB | 5.9 Euro | 4.3 Euro |
| BC | 5.9 Euro | 4.3 Euro |
| ABC | 8.2 Euro | 6.1 Euro |
グループ1日乗車券/24-Stunden-Karte Kleingruppen
1日乗車券を5人までで利用することができる乗車券です。
| ゾーン | 通常価格 |
| AB | 14.6 Euro |
| BC | 14.6 Euro |
| ABC | 20.4 Euro |
交通局ポツダムの乗車券の価格や情報については、公式ページに詳細が掲載されています。
市バス、シュトラーセンバーン/路面電車、Sバーンの乗り方
市バスの乗り方
乗車券
運転手から購入する、もしくアプリで購入することになります。
打刻
バス車内(一般的に運転席の後方付近)には打刻機があるので、打刻していない場合は、車内で打刻することができます。
乗車
ドイツでは乗車する際に乗車券を購入する、もしくは乗車券を提示します。そのため運転手側のドアから乗車することになります。
出入り口のドア付近に立たないことをお勧めします。ドアのセンサーが反応して閉じないことがあります。(一般的に黄色い線で立ってはいけないエリアが表示されています)
降車
降車の際は車内にある停車ボタンを押して、降車してください。一般的には車内にモニターがあり、次の停留所が表示されます。そこで停車ボタンを押して降車します。降車の際には運転手側でなく、他のドアから降車してください(乗車する人とぶつかってしまうからです)
シュトラーセンバーン/路面電車の乗り方
乗車
扱いはSバーンなどと同じで、一般的には運転手に乗車券を見せる必要はありません。
出入り口のドア上にドアの開閉ボタンがあります。それを押してドアを開けます。ドアのボタンを押さないとドアが開かないので、気をつけてください。
一般的にシュトラーセンバーン/路面電車の車内に券売機が設置されています。車内で購入できる場合が多いですが、個人的にはアプリでの購入をお勧めします。
降車
降車する際には出入り口のドア上にドアの開閉ボタンを押してください。それを押してドアを開けます。ドアのボタンを押さないとドアが開かないので、気をつけてください。
Sバーンの乗り方
乗車券
駅構内に券売機が設置されています。
打刻
改札がなく、駅構内で打刻をする必要があります。
ドアの開閉
出入り口のドア上にドアの開閉ボタンがあります。それを押してドアを開けます。ドアのボタンを押さないとドアが開かないので、気をつけてください。
気を付けなくてはいけないこと / 乗車券に打刻が必要
ドイツの鉄道(Sバーンやドイツ鉄道)には改札口が設置されていません。そのため乗車券を利用する場合、打刻機で利用を始める駅名や利用開始時刻を入れる必要があります(アプリなどデジタルの場合には必要ありません)。
打刻用の機械は一般的に券売機の近くに設置されています。シュトラーセンバーン/路面電車や市バスの車内にも打刻用の機械が備え付けられています。そのため車内で打刻できます。
なおアプリの場合には、多くの乗車券は発券の段階で打刻されています(回数券などを除く)。
打刻しない場合は無賃乗車として罰金
乗車券を購入していても、打刻していない場合には無賃乗車とみなされます。打刻されていない場合、乗車した駅や乗車した時刻が記録されません。そのため利用しているゾーンの数もわからなくなり、利用状況に応じた乗車券を利用しているかどうか判断できないからです(公共交通機関では車内で検札を行うことがあります)。
もちろん乗車券を持たない場合も不正乗車となります。
不正乗車の場合、60ユーロ(2025年10月現在)の罰金を支払う必要があります。そのため乗車券の打刻忘や、乗車券の紛失に気をつけてください。
交通局ポツダムのWebページに掲載されている不正乗車に対する対応
チケット購入はスマホアプリがお勧め
乗車券は自動券売機があり、駅などで購入することができます。ただ券売機の故障が多く、利用できなかったり、お札を認識しないことが頻繁にあります。そしてチケットが購入できないかもしれません。そのためスマホアプリの活用をお勧めします。
交通連合ベルリン・ブランデンブルクによる乗車券用のアプリ
スリなどによる盗難に注意
公共交通機関は多くの観光客が利用するため、スリによる盗難が多く発生しています。例えば、電車などで乗り降りの際に、人混みに紛れて財布などを盗むケースが多発しています。ポツダムは観光客が多いため、それを狙ったスリがいるため、気をつけてください。
ドイツの鉄道会社が警告するスリのテクニックをこちらの記事で紹介しています。
ストライキに注意
ドイツの公共交通機関は頻繁にストライキを結構しています。そのため突然ストライキにあって、スケジュールを変更する可能性もあるでしょう。ストライキの動向に気を付けてください。
ドイツのストライキは下記の通りです。何も表示されない場合、ストライキは予定されていません(右スクロールで情報を確認できます)
ポツダムの観光スポットについては、こちらの記事で紹介しています。










