建築好きな人であれば、バウハウスの名前を聞いたことがあるでしょう。バウハウスとは20世紀初頭にドイツにあった美術学校です。
そこでは多くの有名な建築家やアーティストが関わり、先進的な教育を行っていました。その影響は大きく、現在でも建築やデザインの世界に大きな影響を与えています。
そんなバウハウスの業績を伝える博物館がドイツ各地にあります。今回紹介したいのはその内の一つであるベルリンのバウハウス・アーカイブ(バウハウス資料館)です。
バウハウスとは
バウハウスはドイツ中部の都市ヴァイマールで1919年に設立されました。その後1925年にドイツ東部の都市デッサウに移り、さらにベルリンへと移った後に、当地で1933年に閉校となっています。
僅か十数年の活動でしたが、バウハウスではデザインや建築で活躍する多くの優秀な人材を輩出しました。また建築や美術界に名を残す人物が教官として勤めていたことでも知られています。
このようなバウハウスの先進性は、その校舎や関連の建物が、世界遺産に登録されていることからもわかるでしょう。
ベルリン唯一のバウハウスの関連施設
ヴァイマールとデッサウはバウハウスの学校が設置された街ですが、いずれも手がけた建物が残っています。しかしバウハウス終焉の地となったベルリンでは、バウハウスが建てた建物はありません。
バウハウスは1932年にナチスの台頭と共に、その先進性が仇となってデッサウを追われます。そのためベルリンに移るのですが、僅か1年足らずの1933年に閉校となっています。
ベルリンはバウハウス最後の地ですが、活動期間の短ささゆえに建物がありません。そのため戦後ベルリンに建てられたバウハウス・アーカイブは重要な存在なのです。
ベルリンに建てられた博物館
第二時世界大戦後にバウハウスの重要性が再認識されるなか、その資料を集めた博物館が構想されます。当初はドイツ西部の都市ダルムシュタットで予定されたのですが、ベルリンに変更されます。
博物館の建物を手がけたのは、バウハウスの初代校長であり、モダニズム建築の巨匠グロピウスです。ただし彼の建物がすぐ実現することはありませんでした。構想からおよそ20年後に異なる敷地で実現することになったのです。
グロピウスもその時には亡くなっており、そのため当初とは多少異なる形で博物館は実現されることになリました。
バウハウス・アーカイブの現在の状況
このような博物館でコレクションされているのは、バウハウスで教官として働いていた、クレー、ファイニガー、カンディンスキーといった絵画の巨匠たちの作品です。その他にも多くのグラフィック作品がコレクションされています。
しかし残念ながら現在のところ鑑賞することはできません。2018年から博物館の建物の増築工事が行われており、当初2022年再オープンを目指していましたが、2024年現在も工事が続いている状態です。そのため再オープンまで、今しばらく待つことになるでしょう。
現在は間借りスペースで小規模展示
そんなバウハウス・アーカイブですが、ベルリン市内の建物に間借りした形で小規模な展示が行われています。なお、そこではミュージアムショップが併設されているため、多くのバウハウスアイテムを購入することができるでしょう。
そのためベルリンでバウハウスを楽しみたい人には必見の場所となっています。ドイツでバウハウスの足跡をたどるなら、ベルリンにもぜひ訪れてみてください。
ベルリンでバウハウス関連やモダニズム関連の建物をご案内します
ベルリン建築個人ガイド
バウハウス・アーカイブ / Bauhaus-Archiv
アドレス:Klingelhöferstraße 14, 10785 Berlin
開館時間:ー
入場料:ー
Website:バウハウス・アーカイブ
テンポラリー・バウハウス・アーカイブ / Temporary Bauhaus-Archiv
アドレス:Knesebeckstraße 1-2, 10623 Berlin
開館時間:10:00〜18:00
休館日:日曜、祝日
入場料:無料
ベルリン近郊の町ベルナウにバウハウス関連の建物があります。こちらの記事では、その建物について紹介しています。
ヴァイマールにあるバウハウス関連の建物について、こちらの記事で紹介しています。