ベルリン・ユダヤ博物館
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ユダヤ人迫害の苦しみを実感できる場所 「ベルリン・ユダヤ博物館」

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ユダヤ人と聞くと、ナチスに迫害された人々というイメージが思い浮かぶでしょう。そうしたイメージですが、日本ではテレビや新聞で得られるもので現実的に感じられないかもしれません。ドイツではユダヤ人が暮らしており、ここで迫害が起きていたため、それは身近に感じることができます。

しかし旅行でドイツを訪れただけでは、それを感じるのは簡単でないでしょう。ですが、それを強く感じさせる場所があります。今回紹介したいのもそんな場所の一つ。それはベルリンのユダヤ博物館です。

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現代建築家によるモダンな建物

ユダヤ博物館
ユダヤ博物館

ベルリンのユダヤ博物館が位置するのはベルリン中心部の場所。博物館の建物はベルリンの街の中で一際目立っています。博物館には古い建物と新しい建物があるのですが、新しい建物は銀色の外壁に複雑なパターンの模様が刻まれているのです。

このようなモダンな建物を手がけたのは建築家のダニエル・リベスキンド。建てられた際には大きな話題となり、今でも建物を目当てに多くの人が訪れています。そんな博物館ではユダヤ人の文化とその迫害について紹介する展示が行われているのです。

様々な体験を可能にするユダヤ博物館の建築

ユダヤ博物館
ユダヤ博物館

特別な外観が目を引くユダヤ博物館ですが、展示だけでなく建物そのものがユダヤ人の文化や歴史を伝える場所となっています。新館の地下にある常設展示室に向かうと、見えるのは幾つかの通路が交差する特殊な空間。

通路には傾斜があり、天井には真っ直ぐ伸びる明かりが見えるでしょう。展示室というよりも通路になっており、各通路には「ホロコーストの軸」、「亡命の軸」という名前が付けられています。そして、その名前に関連する展示を通路の壁に見ることができるのです。

ユダヤ博物館の特別な建築空間、「亡命の庭」

ユダヤ博物館
ユダヤ博物館

「亡命の軸」と呼ばれる通路を進むと扉があります。その扉を開けると、屋外へと出ることができ、そこに広がる不可思議な空間を見ることになるでしょう。屋外空間に作られているのは、「亡命の庭」と呼ばれる斜めに建てられた柱の伸びるスペース。

覆いかぶさるように伸びる柱のために不安を感じられる場所になっています。これは迫害のために亡命を余儀なくされたユダヤ人たちの不安の追体験と言えるかもしれません。

ユダヤ博物館の特別な建築空間、「ホローコストの塔」

ユダヤ博物館

「ホロコーストの軸」と呼ばれる通路を進むと、同じように扉が用意されています。そんな扉を開けると、暗闇が待ち受けています。暗闇の中で目が慣れてくると、どのような場所にいるか気付くことができるでしょう。

暗闇の広がる空間は「ホローコストの塔」と呼ばれる場所で、天井の高い空間には窓がありません。そんな空間の天井には隙間があり、そこから微かな光が差し込むようになっています。これは僅かな希望しか残されず、絶望の中を生きたユダヤ人の運命を感じられる場所と言えるでしょう。

迫害された人々の苦しみを感じさせる印象的な作品

ユダヤ博物館
ユダヤ博物館

こうした体験的な空間は他にもあり、特に印象的だったものがありました。それは作品が設置された空間で、細く天井が高い特別な空間になっています。そこにあるのが、イスラエルのアーティストが制作した作品「Shalekhet (Fallen Leaves)」です。通路のような場所には無数の金属片が敷き詰められています。

それは顔のように、目や鼻、そして口の形が切り抜かれています。この空間は自由に出入りすることができるのですが、金属片を踏むたびに金属同士がぶつかり合い、その音が響きわたるのです。これは迫害によって殺された人々の悲鳴のようにも感じられるかもしれません。

ユダヤ文化を紹介する展示

ユダヤ博物館
ユダヤ博物館

ユダヤ博物館での展示では、例えば、迫害の様子を描いた当時のイラストやパスポートといったもののように、迫害された人々の記録が展示されています。こうした展示はホロコーストが何であったかを理解されてくれるでしょう。

その一方で、ユダヤ人の文化についても展示を行っており、多くの資料が展示されています。中にはユダヤ人の偉人やユダヤ人の画家なども紹介されており、様々な側面からユダヤ人とは何なのかを知ることができるかもしれません。

言葉や歴史が分からなくても様々なことを感じさせる博物館

ユダヤ博物館

ユダヤ博物館では資料などの展示が充実していることは確かなのですが、英語やドイツ語が説明されているため、誰もが多くの情報を理解できる訳ではないでしょう。ですが、展示空間や設置された特別な作品によって体験できるものがあります。

それは迫害されたユダヤ人の苦しみや不安です。言葉が分からなくても、歴史を知っていなくても、ここユダヤ博物館では特別な体験ができるのです。こうした体験は展示と合わせて強くユダヤ人迫害を実感させてくれるでしょう。だからこそ、ユダヤ博物館をぜひ訪れて欲しいと思います。

ベルリン近くの町オラニエンブルクにはユダヤ人迫害が行われたザクセンハウゼン強制収容所があり、現在では当時の様子を伝える展示が行われています。そんな強制収容所については、こちらの記事で紹介しています。

ベルリン・ユダヤ博物館 (Jewish Museum Berlin)

アドレス: Lindenstraße 9–14 10969, Berlin

開館時間: 10:00 – 18:00 (毎日)

休館日: ユダヤ人の祝日(ホームページで確認してください)

入場料: 常設展示は無料、企画展は有料10ユーロ

Web-Site: ベルリン・ユダヤ博物館

入り口で手荷物検査が行われており、入場に時間がかかるので気をつけてください。

(2026年1月確認)

ベルリン・ユダヤ博物館を動画で撮影してきました。その雰囲気が感じられるかもしれません。

ベルリンには多くの美術館や博物館があります。その中でも特にお勧めのところについて、こちらの記事で紹介しています。


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