ベルリンと言えば、多くの人が思い浮かべるのはベルリンの壁でしょう。それは第二次世界大戦後に、イデオロギーの対立によって一つの街を東西に分断していました。
このような冷戦の痕跡はベルリンの壁以外でも見ることができます。街には冷戦中に利用されたものがあり、それは東西の対立を強く感じさせるのです。
今回紹介するのはそんな冷戦を感じさせるものの一つ、トイフェルスベルクです。かつて諜報戦で使われた施設は本来の役割を終えて、文化的な形で活用されているのです。
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ベルリンの個人ガイド
冷戦で重要な役割を果たした西ベルリン
ドイツは第二次世界大戦後に戦争に勝った国々の対立によって東西に分割されました。首都であるベルリンも東西に分割されたのですが、ベルリンが位置していたのは東ドイツだったのです。そのため西ベルリンは東ドイツにある陸の孤島となりました。そんな場所は、東ドイツの市民にとって西側への入り口となり、多くの人が東から西へと逃亡したのです。
こうした東側の市民の流出を防ぐために、東ドイツ政府は西ベルリンを囲むように築いたのが、ベルリンの壁でした。その一方で、陸の孤島だった西ベルリンは西側にとっても重要な意味がありました。それは諜報に最適な場所だったのです。

諜報に使われたトイフェルスベルク
ベルリンは旧東ドイツ領内にあったため、東ドイツやソ連の通信を傍受できる場所だったのです。トイフェルスベルクはそんな諜報を目的に利用されていました。施設が位置するのは西ベルリンの郊外にある丘陵地帯です。郊外であるため遮るものはなく、東ドイツは目と鼻の先にありました。
そもそもトイフェルスベルクは、第二次世界大戦で破壊された街の瓦礫の廃棄処分地でした。そのため小高い人工の丘だったのです。そんな丘を1971年にアメリカ軍とイギリス軍の諜報部隊が利用し始めます。以降、冷戦終結後の1991年まで、東側の通信を傍受するために利用されていたのです。

ストリートアートの展示スペースでもあるトイフェルスベルク
戦時中に活躍した施設ですが、ベルリンの壁が崩壊し、東西ベルリンが再統一したため、この地で諜報を行う必要性は無くなりました。そして丘の上に築かれた施設は使われることなく廃墟となっていったのです。そんな場所はベルリンの歴史を物語る伝説的な場所として知られるようになっていきます。そしていつしか他の廃墟と同様に多くのストリートアートが描かれることになったのです。
そんなストリートアートは今では管理されており、展示として楽しめるようになっています。そのため、他の作品に塗りつぶされることもなく、個々の作品として楽しめるのです。ストリートは広大な施設に多く描かれており、トイフェルスベルクはストリートアートらしさを活かした形で展示を行う展示スペースとも言ってよいでしょう。

圧倒的な眺めを楽しめる場所
トイフェルスベルクは歴史やストリートアートを楽しめますが、忘れていけないのは、その素晴らしい眺望です。そもそも瓦礫で築かれた丘なので高さは120メートルほどしかありません。しかしベルリンには山がなく、トイフェルスベルクは眺めの良い場所なのです。
諜報用の施設の屋根に上がれば、そこからはベルリンの市街地を一望できます。また郊外を望めば、広大な森を眺めることができるでしょう。そもそも諜報用の施設ということもあり、周りに遮る障害物は何もありません。そのため、ここでは360度に広がる素晴らしい風景を存分に楽しむことができるのです。

ベルリン観光で訪れたい特別な場所
ベルリンにはベルリンの壁以外にも冷戦の記憶を伝える場所が数多く存在します。その中でも、かつて諜報活動の最前線だったトイフェルスベルクは冷戦の状況を感じさせてくれる特別な場所です。ここでは東西陣営の対立を強く感じることができるでしょう。また同時にベルリンの新しい文化、ストリートアートを楽しむこともできます。そればかりでなくベルリンの絶景を楽しめるのです。
このようなトイフェルスベルクは世界に例を見ない特別な場所と言えるでしょう。ベルリンを訪れるなら、そんな場所を見逃すことはできません。ベルリンを訪れるなら、ぜひトイフェルスベルクを訪れてみてください。

トイフェルスベルク / Teufelsberg
アドレス: Teufelsseechaussee 10 D, 14193 Berlin
入場料 : 12ユーロ
開館時間:11:00 〜 21:30 (季節により変更 / 展示施設は18時まで)
最寄駅 : Sバーン「S-Bahnhof Heerstraße 」駅から徒歩30分
Web-site: トイフェルスベルク










