ドイツ東部の街、デッサウは、革新的な教育機関「バウハウス」があったことで世界的に知られています。しかし、デッサウから少し足を伸ばした場所に、驚くべき風景が広がる特別な場所があるのです。
それは「フェロポリス(Ferropolis)」と呼ばれる屋外展示場です。フェロポリスは石炭採掘に使われていた巨大な重機たちが展示されている場所です。世界的にはまだあまり知られていませんが、その圧倒的なスケールと特殊な展示から、他にはない唯一無二のスポットと言えるでしょう。
今回こちらの記事では、このフェロポリスの魅力や、展示されている巨大重機について紹介します。
露天掘り採掘場から人造湖へ
バウハウスで知られるデッサウ近郊には、のどかな風景が広がり、大きな湖が広がっています。そんな湖に突き出た半島に位置するのがフェロポリスです。
この場所は「ゴルパ・ノルト」と呼ばれた、地表を削って石炭の一種である「褐炭(かったん)」を採掘する露天掘り採掘場でした。1950年代から稼働を始めて、1991年にその役割を終えました。
現在、周辺は水をたたえた美しい人造湖へと生まれ変わっていますが、その中心に当時の巨大な掘削機バケットホイールエクスカベーターが遺産として残されているのです

バケットホイールエクスカベーターとは
「バケットホイールエクスカベーター」という言葉は、聞き慣れないかもしれません。これは、先端に複数のシャベル(バケット)がついた巨大なホイールを回転させて地面を削り、大量の土砂を採掘する機械のことです。
これらの機械にはベルトコンベアが組み込まれており、採掘と同時に搬出をノンストップで行うことができます。その効率を最大化するために機体は巨大化し、全長が100メートルを超えるものも珍しくありません。
また、これらは自走できるように巨大な履帯(キャタピラ)を備えており、「動く巨大建造物」と呼ぶにふさわしい存在なのです。

フェロポリスに並ぶ5機の巨大重機
湖に浮かぶ半島の先に大きな広場があり、それを囲むように5機のバケットホイールエクスカベーターが設置されています。
1962年に建造された全長約80メートルのMAD MAX。戦前の1941年に建造された全長約70メートルのMOSQUITO。1958年建造の全長125メートルのGEMINI。1959年建造で全長は約100メートルのMEDUSA。そして1984年建造の全長75メートルのBIG WHEELです。
いずれも高さが30〜40メートルほどあり、ビルの高さにすると、10階ほどの高さがあります。そんな巨大な重機が並ぶ場所は圧巻の一言に尽きるでしょう。

見て、登って、体験できる場所
フェロポリスの最大の魅力は、これらの重機の一部に実際に登ることができる点です。延々と伸びるベルトコンベアーに沿って歩いたり、操作スペースの様子を伺うこともできます。
それだけでなく展示されている重機そのものが巨大であるため、周辺の風景を一望することができます。かつての露天掘りの採掘場の跡地は水をたたえた湖となっています。
このような美しい風景を楽しむことができるでしょう。そして、この場所が巨大な産業遺跡であることを感じられると思います。

産業遺跡であり、イベント会場でもあるフェロポリス
フェロポリスではバケットホイールエクスカベーターの展示だけでなく、20世紀に行われていた石炭採掘などの資料を展示する展示施設もあり、20世紀の産業を学べる場所にもなっています。
また広大なスペースと巨大な重機がある特別な場所でもあるため、音楽関連のイベントが開催されるイベント会場の役割を果たしています。そのため音楽イベントに訪れる形で巨大なバケットホイールエクスカベーターを見ることも可能です。
ただしイベント開催で一般入場ができなくなるため、もし普通に訪問するのであれば、公式ホームページでスケジュールを確認することをお勧めします。

デッサウ近郊で必見の場所
フェロポリスは巨大なバケットホイールエクスカベーターを見るだけでなく、実際に中に乗り込むことができる特別な場所です。このような産業遺跡とも言える場所では、20世紀のエネルギー産業の姿を学ぶことができるのです。そのため工場や巨大な機械などが好きな人にとっては必見の場所です。
またデッサウ近郊にあり、バウハウス訪問に合わせて訪れることができます。もしバウハウス観光を考えているのであれば、スケジュールに組み合わせると、素晴らしい旅行になると思います。ぜひフェロポリスで、特別な体験を楽しんでみてください。

フェロポリス / Ferropolis
アドレス:Ferropolisstraße 1, 06773 Gräfenhainichen
開館時間:10 〜 17時
入場料:8ユーロ
公式ページ:フェロポリス





