様々な商品を紹介する見本市(ドイツ語で「メッセ」)は、ドイツにおいて非常に重要なイベントです。ドイツは見本市大国として知られており、各都市で多種多様な業種の新商品を紹介する催しが開催されています。
ドイツの首都ベルリンも例外ではなく、長い歴史を持つ大規模な見本市「Grüne Woche(国際緑の週間)」が開催されます。食品から農業までを幅広く取り扱うこのメッセは、30万人近い来場者が訪れる一大イベントです。
今回は、そんなベルリンの冬の風物詩になっているGrüne Wocheについてご紹介します。
2026年に100周年を迎えた「Grüne Woche」
Grüne Wocheは1926年に誕生し、2026年で100周年を迎える歴史ある見本市です。一般的な見本市は、ワイン、鉄道、美術作品というように一つの業種に焦点を絞ったものが多いですが、Grüne Wocheは食品から農業、そして家畜に至るまで、極めて多岐にわたる分野を網羅しているのが特徴です。
扱う業種が広いため出展規模も大きく、1,500以上の企業や団体が商品を展示するのです。その規模と内容から、業界関係者だけでなく一般の来場者も楽しめるイベントとなっており、毎年1月の恒例行事として多くの人々を惹きつけています。

ドイツ各地の特産品を楽しめる食品展示
食品の紹介エリアは、基本的に地域や国ごとに分かれています。ドイツ国内の展示は州別にまとめられており、ベルリン、ブランデンブルク、ニーダーザクセンといった各州の会社などがブースを構えています。
ベルリンのホールでは、有名なB級グルメであるカリーヴルスト(ソーセージにカレーパウダーをかけたもの)の名店「Curry 36」が出店していました。またステージでは行われていたのは、ベルリン近郊の観光地として人気のシュプレーヴァルトの紹介。そこに住む少数民族ソルブ人の若者が伝統的な踊りを披露しており、注目を集めていました。
各ホールでは地ビールや名物料理も販売されており、今回は食べたのはニーダーザクセン州のブースでハルツ山地特製のソーセージです。各地の名産品をその場で買ったり味わったりできるため、一般の来場者が多く訪れ、会場は大盛況でした。

屋内庭園などを見せる農業展示
農業コーナーの中で特に印象的だったのは、本物の花々が植えられた屋内庭園スペースです。屋内とは思えないほど広々とした空間に、赤やピンクの色鮮やかなチューリップが咲き誇り、せわしない見本市会場の中にありながら、そこだけは穏やかな時間が流れていました。展示の一部ではありますが、他の場所とは異なり、視覚的にも非常に癒される空間でした。
農業展示の幅広さは農産物だけにとどまりません。個人的に興味深かったのが林業に関する展示です。ブースには木製家具が並んでいるのですが、そこでは職人が実際に家具を製作しており、まるで工房そのものがホールに移動してきたかのような雰囲気となっています。完成品だけでなく製作工程まで間近で見ることができるため、ものづくりの雰囲気を感じられるのが印象的でした。
同じく林業エリアで目を引いたのは、木材で作られたクライミングウォールの展示です。こちらは実際に来場者が体験できるよう開放されており、多くの人々がクライミングを楽しんでいました。単なる商品の紹介に留まらず、来場者が実際に触れたり体験できるアトラクションとなっており、来場者が楽しむ様子が印象的でした。

馬術などのパフォーマンスが行われる畜産展示
今回特に驚かされたのが「アニマルホール」です。ここでは実物の家畜が紹介されており、羊や牛などが展示されています。飼育現場に近いゆとりのあるスペースが確保され、動物たちがのんびりと飼い葉を食んでいる様子を見ることができます。
またホール内には広い馬場も整備されており、馬術が披露されていました。間近で動物と触れ合えるため、会場には子供たちの姿も多く、見本市というよりはアットホームなイベントの空気感を感じました。

誰もが楽しめる体験型の見本市
Grüne Wocheは、多岐にわたる業種の商品を紹介するだけでなく、食べたり、飲んだり、ショーを鑑賞したりと、体験型の見本市です。専門的な見本市は一般の人には敷居が高いこともありますが、Grüne Wocheはドイツ各地のグルメを堪能したり、普段なかなか見る機会のない馬術を観覧したりと、誰もが楽しめるものが詰まっています。海外の見本市やドイツの食文化に興味があるなら、決して見逃せないイベントです。ぜひ一度、ベルリンでこの雰囲気を体験してみてください。

Grüne Woche / 国際緑の週間
会期:2026年1月16〜25日
開館時間;10〜18時
アドレス;Messedamm 22, 14055 Berlin, Germany
公式ページ : Grüne Woche










