ベルリンには街を象徴するようなシンボル的な場所があります。例えば、ブランデンブルク門です。そこはニュースの中継の背景になったり、ベルリンを紹介する際に写真を使われたりします。ですが、ベルリンを象徴するような場所は、それだけではありません。ブランデンブルク門だけでなく戦勝記念塔(ジーゲスゾイレ)を思い浮かべる人もいるでしょう。
それはベルリン中心部の森のような公園ティアガルテンの中心に聳える塔です。そこはブランデンブルク門同様にベルリンを紹介する際に写真が使われるなど、ベルリンのシンボル的な場所なのです。そこで、今回はそんな戦勝記念塔について紹介したいと思います。
多くのイベントが開催されるベルリンのシンボル
ベルリンの戦勝記念塔をニュースなどで見た人は少なくないでしょう。世界的にも有名なベルリン・マラソンのコース上にあり、多くのランナーが戦勝記念塔を通り過ぎる場面をニュースで取り上げることは少なくありません。また2008年には当時アメリカの大統領候補だったオバマ氏が戦勝記念塔で演説を行い、20万人もの人々を集めました。
それだけでなくベルリンでデモなどが行われる際には戦勝記念塔周辺で行われることもあります。このような戦勝記念塔での多くの大規模イベントの開催は、戦勝記念塔がベルリンのシンボルであると感じさせてくれるでしょう。
戦争の勝利を記念して建てられた塔
戦勝記念塔は、その名前にある通り戦争の勝利を記念して建てられた塔です。ドイツの前身としてプロイセン王国がありましたが、1860年代から70年代にかけて、デンマーク、オーストリア、フランスと相次いで戦争に勝利しました。その勝利を記念するものとして塔が建てられたのです。
それを象徴するように戦勝記念塔には勝利の女神ヴィクトリアが黄金の像となって取り付けられています。また塔の基礎部分にはフランスに対しての勝利がモザイク壁画として描かれており、塔の至る所で戦争への勝利が表されているのです。
ナチスの都市計画として移転された塔
戦争への勝利を表している戦勝記念塔ですが、それ以外にもドイツの歴史を表すものとなっています。本来建てられたのは別の場所だったのです。元々建てられたのは国会議事堂の前。ドイツでは1930年代にナチスが政権を握りますが、その際にベルリンを世界に名だたる街「世界首都ゲルマニア」にするべく、大規模な都市計画が行われたのです。
計画は敗戦のために頓挫しましたが、ベルリンには幾つかの大規模な建物が建てられました。また戦勝記念塔はメインストリート上に移転することになり、現在の場所に移されたのです。そのため戦勝記念塔は様々な歴史を目撃した歴史の証人と言えるかもしれません。
博物館としての場所
このような戦勝記念塔ですが、今では博物館と展望台として多くの人々を迎え入れています。塔であるため展示スペースなどないように見えますが、実は基礎部分は大きく、そこに展示スペースがあるのです。展示スペースにあるのは戦勝記念塔やドイツにあるシンボル的な建造物の紹介です。そしてドイツには他にも多くの歴史を象徴するような建造物があることに気付かされるでしょう。
また先にも紹介したように基礎部分には戦争の勝利を表したモザイク壁画、それだけでなくレリーフもあり、歴史的な背景や知ったり、美術作品として鑑賞も楽しめるかもしれません。
戦勝記念塔の最大の見所、圧倒的な眺望
戦勝記念塔は67メートルの高さを誇っています。その中にあるのは展望台へと延々と伸び得る螺旋階段。285段もある階段を上っていくといくと、そこには素晴らしい風景が待ち構えています。展望台はおよそ60メートルの高さにありますが、ビルの高さでいえば20階程度の高さになります。
塔が聳えるのは木々の生茂る公園であるため眺望を遮るものは何もありません。そのため遠くにはベルリンのテレビ塔が見え、またブランデンブルク門も眼下に見ることができます。このように周りに広がる360度の風景を楽しむことができるのです。そして圧倒的な開放感を楽しむことができるでしょう。
ベルリン観光で必見の場所、戦勝記念塔
ベルリンといえば、そのシンボルとしてブランデンブルク門を思い出すかもしれません。ですが、それ以外にも戦勝記念塔という素晴らしい場所があるのです。歴史を伝える場所であり、ベルリンを象徴するような場所であり、そして素晴らしい眺望も楽しむことができる場所なのです。ベルリンを訪れるなら、そんな戦勝記念塔をぜひ訪れてみてください。
戦勝記念塔 / Siegessäule
アドレス: Großer Stern 1 10557 Berlin
最寄駅: バス(100、 106、 187)「Großer Stern」下車
開館時間 : 09:30 〜18:30 / 月〜金 / 4月〜10月、9:30 〜19:00 / 土日 / 4月〜10月、09:30 〜17:30 / 月〜日 / 11〜3 月
入場料 : 4ユーロ
Website : 戦勝記念塔
(2024年5月)