ニュルンベルクはドイツ南部を代表する街で、ドイツ3大クリスマスマーケットが開催される街です。また多くの美術館や博物館があるため、世界各国から観光客が訪れる街としても知られています。
そんな街を旅行で訪れるなら、利用することになるのが公共交通機関です。しかしドイツの公共交通機関は日本のものとは料金体系や使い方などが異なるため戸惑う人がいるかもしれません。
そこで、こちらの記事ではニュルンベルクの公共交通機関の種類、その使い方や、料金体系、そして乗車券の種類などを解説します。
ニュルンベルクの公共交通機関の利用法を理解して、ニュルンベルク観光にぜひ活用してください。
ニュルンベルクの公共交通機関の種類
- ニュルンベルクと周辺市町村の公共交通機関は1枚の乗車券で利用可能
- Verkehrsverbund Großraum Nürnberg(VGN)/ ニュルンベルク広域交通連合に所属している他の交通機関も利用可能
- Verkehrs-Aktiengesellschaft Nürnberg(VAN)/ ニュルンベルク公共交通会社はニュルンベルク市内のの地下鉄、路面電車、バスを運営する会社
- 乗車券で利用できるのは当該エリアのSバーン、地下鉄(Stadtbahn)、バス、地域鉄道/ドイツ鉄道、その他の鉄道など
ニュルンベルクで公共交通機関を利用しようとすると、2つの会社があって混乱するかもしれません。ニュルンベルク広域交通連合(Verkehrsverbund Großraum Nürnberg)通称VGNと、ニュルンベルク公共交通会社(Verkehrs-Aktiengesellschaft Nürnberg)通称VANがあるからです。
VANはニュルンベルク市内の地下鉄、路面電車、バスを運営する会社です。一方でVGNはフュルト、バイロイト、バンベルクニュルンベルク周辺市町村にある複数の公共交通機関を束ねる交通局なのです。
またニュルンベルク周辺地域を走るをドイツ鉄道(高速鉄道を除く)や、SバーンなどもVGNに所属しています。
そのためVGNの営業エリアであれば、その他の加盟機関やドイツ鉄道の列車を1枚の乗車券で利用できるのです。
(簡単に言えば、VGN管内で乗車券を買えば、VGN加盟の交通機関を全て利用可能です。)
ニュルンベルク市内には下記の公共交通機関があります。
Sバーン(S-bahn)
都市近郊鉄道と呼ばれるもので鉄道で、ニュルンベルクと周辺都市を結んでいます。駅間の距離が長いため、長距離を移動することができます。
地下鉄(U-bahn)
ニュルンベルク市内の各所を繋ぐ地下鉄です。3本の路線(U1、U2、U3)があり、市内の移動に便利です。
路面電車(Tram)
5本の路線(4、5、6、7、8)があります。市内中心部では駅間が短く、目的地近くまで移動することができます。
バス(Bus)
バスも路線が多く、路面電車や地下鉄で辿り着けない場所に訪れることができます。そのため市内を移動する際に利用することになるでしょう。
地域鉄道/ドイツ鉄道(Regionalzüge)
ドイツ鉄道による路線で、ニュルンベルクと遠くの都市を結んでいます。そのため周辺の町を訪れる際に利用することになるでしょう。RE(Regional-Express)や、RB(Regionalbahn)が運行されています。
料金体系について
- ニュルンベルク市内の移動に必要な乗車券は「Einzelfahrkarte 」(Preisstufe A) / 3.9 Euro
- 公共交通機関の乗り換えは料金に影響を与えない
- 利用する「ゾーン」の数で料金が決まる(ニュルンベルク広域の場合)
ドイツと日本の公共交通機関で異なるのが、「ゾーン(エリア)」を基準にして料金体系です。理解できれば便利なのですが、慣れるまでが大変かもしれません
利用する「ゾーン」の数で料金が決まる(広域で移動する場合)
ニュルンベルクを中心にして、そこからの距離で「ゾーン」で区切られています。
複数の「ゾーン」を利用すると、多くの距離を移動することになるため、料金は高くなります。一方で、ニュルンベルク市内は、同じゾーン内であり、1つのゾーンしか利用しません。そのため一つのゾーンしか使わないため、市内の移動は同じ価格なのです。。
乗車券を購入する場合に考えるのは、利用する交通機関でなく利用する「ゾーン」の数(広域の場合)
例えば、ニュルンベルク中央駅から帝国党大会会場文書センターに向かうとしましょう。その際に利用するのはSバーン、もしくは地下鉄とバスです。
その際にSバーンのみで移動しても、地下鉄とバスを乗り換えて移動しても、乗車券の価格に影響しません。
利用する交通手段は価格に関係なく、利用する「ゾーン」の次第で乗車券のカテゴリーが変わり、それに従って購入することになるのです。
利用する「ゾーン」の確認方法
VGNのページでは、出発地と到着地を入力することで、利用する交通手段、必要となる時間、切符のカテゴリー、その価格、移動経路が表示されます。
ニュルンベルク市内を移動する際に必要なのは「Einzelfahrkarte 」(Preisstufe A) の乗車券
ニュルンベルク市内を移動する際には、同じゾーン内を移動することになります。そのため利用する「ゾーン」の数は1つとなり、Preisstufe Aの乗車券(3.9ユーロ)を購入することになります
ニュルンベルクの交通機関の路線図
こちらがニュルンベルクの交通機関の路線図とゾーンのマップです。



切符の種類と価格
ニュルンベルクや周辺地域(VGN管内)の公共交通機関を利用する際に利用する乗車券は、主に下記のものです。こちらに掲載されている乗車券はニュルンベルク市内です。広域での利用の際は、VGNのページで価格と使用するゾーンを確認してください。
- 短距離乗車券/Kurzstrecke
- 通常乗車券 / Einzelfahrt
- 回数券 / 4erTicket
- 1日乗車券 / Tages Ticket
- 1日乗車券プラス / Tages Ticket Plus
短距離乗車券/Kurzstrecke
Kurzstreckeは短距離のみ利用できます。
地下鉄の場合2駅のみ乗車可能です。
バスと路面電車は4停留ところまで利用可能です。
注1:6歳未満の子供は無料です。
子供料金(6-14歳) | 価格 |
---|---|
1 ユーロ | 2.1 ユーロ |
通常乗車券 / Einzelfahrt(ニュルンベルク市内)
途中下車は可能で異なる交通機関へ乗り換えも可能です。ただし片道のみ利用可能で復路で利用することができません。なお公式アプリではHandy Ticketと呼ばれるデジタル乗車券が割引価格で購入できます。
ニュルンベルク市内のSバーン、地下鉄、路面電車、バス、地域鉄道/ドイツ鉄道、その他の鉄道で利用可能です。ただし利用時間が90分以内になっています。
利用時間 | 子供料金(6-14歳) | 価格 |
---|---|---|
90分 | 1.9 ユーロ | 3.9 ユーロ |
注1:6歳未満の子供は無料です。
回数券 / 4erTicket(ニュルンベルク市内)
通常乗車券を4回に分けて使うことができます。4人分の乗車券としても利用できます。
ニュルンベルク市内のSバーン、地下鉄、路面電車、バス、地域鉄道/ドイツ鉄道、その他の鉄道で利用可能です。ただし利用時間が90分以内になっています。
利用時間 | 子供料金(6-14歳) | 価格 |
---|---|---|
90分 | 6.9 ユーロ | 13.9 ユーロ |
注1:6歳未満の子供は無料です。
1日乗車券 / Tages Ticket(ニュルンベルク市内)
1日乗車券を購入すると、ニュルンベルク市内の公共交通機関が乗り放題になります。終電まで利用可能です。
土曜日購入の場合は日曜日も合わせて利用することができます。
ニュルンベルク市内のSバーン、地下鉄、路面電車、バス、地域鉄道/ドイツ鉄道、その他の鉄道で利用可能です。
価格 |
---|
10.3 ユーロ |
1日乗車券プラス / Tages Ticket Plus(ニュルンベルク市内)
1日乗車券を購入すると、ニュルンベルク市内の公共交通機関が乗り放題になります。終電まで利用可能です。
土曜日購入の場合は日曜日も合わせて利用することができます。
18歳以上の大人は2人まで利用できます。最大の利用人数は6人まで、家族で利用できる乗車券です。
ニュルンベルク市内のSバーン、地下鉄、路面電車、バス、地域鉄道/ドイツ鉄道、その他の鉄道で利用可能です。
価格 |
---|
15.2 ユーロ |
気を付けなくてはいけないこと / 乗車券に打刻が必要
ドイツの鉄道(Sバーン、地下鉄、地域鉄道)には改札口が設置されていませ。そのため乗車券を利用する際に打刻機で利用を始める駅名や利用開始時刻を入れる必要があります(アプリなどデジタルの場合は必要ありません)。
打刻用の機械は一般的に券売機の近くに設置されています。一般的に路面電車やバスの車内に打刻用の機械が備え付けられています。そのため車内で打刻できます。
なおアプリの場合、発券の段階で打刻されています。
打刻しない場合は無賃乗車として罰金
乗車券を購入していても、打刻していない場合には無賃乗車とみなされます。打刻がない場合、乗車した駅や乗車した時刻が記録されず、利用しているゾーンの数がわからなくなり、正しい乗車券を利用しているかどうか判断できないからです。
もちろん乗車券を持たない場合も不正乗車となります。
不正乗車の場合には、60ユーロ(2025年5月現在)の罰金を支払う必要があります。そのため、乗車券の打刻忘や、乗車券の紛失に気をつけてください。
アプリがあれば、便利でお得
ドイツで公共交通機関を使う際に困るのは券売機が見つからないことや、券売機の故障です。それによって、利用したい列車などに乗り遅れることもあるでしょう。そこでお勧めしたいのは、VGNのアプリです。
それを使えば、出発地から目的地の移動方法や乗車券の種類を確認でき、そのまま購入することができます。
何よりアプリを使うメリットとして挙げたいのは、一部の乗車券がアプリで購入できるHandyTicketに割引価格を適応していることです。そのため、アプリを活用してお得に便利に公共交通機関を活用しましょう。
- ニュルンベルクのクリスマスマーケットはこちらの記事で紹介しています。