ベルリンと隣接する都市テルトーの境界にはベルリンの壁が築かれていました。そんな悲しい歴史を持つ場所ですが、ドイツ再統一後に多くの桜が植えられ、毎年春には美しいピンクの壁が現れます。
ですが、土壌改良のため2025年は桜並木に立ち入ることができなくなります。なぜなら桜の木が枯れないように土地を休めさせる必要があるからです。
テルトーとベルリンの境界にある桜並木では、日本の花見にちなんだイベントが開催されていますが、今年は会場が使えないため桜並木を歩くことや周辺でのイベント開催はできないようです。
こちらの記事では今回行われる桜並木の土壌改良についてと、ベルリンで桜を楽しめる他の場所を紹介します。

ベルリンの壁跡の桜並木の土壌改良工事
改良工事を行う場所:ベルリンと隣街のテルトーの境界部分(JapaneckからLichterfelder Alleeまで)
工事期間:2025年3月末から2025年末までを予定
今回工事が行われるのはベルリンと隣街のテルトーの境界部分です。この境界は東西ドイツの境界部分で、東西ドイツ時代にはベルリンの壁が築かれていました。そんな場所に桜並木が広がっています。
今回ベルリンとテルトーの境界にある桜並木で工事が行われるのは、多くの人々が訪れるようになり、並木周辺の地面が圧縮されて水分や空気が失われているためです。
それによって今後桜の木々が枯れる可能性があるため、土壌改良を行ってしばらく土地を休めることになるようです(今回桜の開花前に工事を始める理由は、花見による来場者を避けて土地を休める理由があるのだと思います)。
土壌改良の期間は2025年3月末から2025年末までが予定されています。期間中は桜並木に立ち入ることができなくなるため気を付けてください。

ベルリンの壁跡に植えられた桜について
ベルリンの壁跡の桜並木は日本からの募金によって植えられたものです。1989年にベルリンの壁が崩壊した後に、テレビ朝日が桜の木々を贈るための募金を呼びかけました。集まった募金によって贈られた桜の木々はおよそ1万本に及びます。そして、それらの桜はベルリン壁があった場所数カ所に植えられたのです。
ベルリンとテルトーとの境界には植えられたのは、およそ1000本の桜の木々でした。それは約1.3キロの桜並木となっているのです。そこではドイツで桜の花が咲く4月末には花見にちなんだイベントも開催され、多くの人が訪れる人気の場所となっています。

その他のベルリンの壁跡に植えられた桜
残念ながら、ベルリンとテルトーとの桜は2025年は楽しめないようです。ですが、他にもベルリンの壁跡に植えられた桜はあるため、ぜひそちらを訪れてみてください。
ボンホルマー通りの桜並木
特にお勧めなのがボンホルマー通りの桜並木です。東西ドイツ時代には、そこに検問所がありました。そんな場所は壁が崩壊した際に東ドイツの人々が西へと訪れる出入り口にもなったのです。
今では多くの桜の木が植えられており、毎年春には数百メートルのピンク色のトンネルを生み出します。また日本から送られた最後の桜の木が植えられた場所でもあるのです。

グリーニッケ橋の桜
桜並木というほど多くの桜が植えられているわけではありませんが、歴史的に重要な場所にも桜が植えられています。それはグリーニッケ橋で、現在のベルリンのポツダムの境界に架けられた橋です。
こちらは東西のスパイの交換を行った場所としても知られる歴史の舞台となった場所です。この場所には日本から贈られた最初の桜が植えられています。

お勧めのベルリンの壁のあった場所は、こちらの記事で紹介しています。
ベルリン便りではベルリンの壁や壁跡地をご案内します