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2027年に開催されるドクメンタのディレクターが決定

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ドイツは現代アートが人気のある国として知られています。多くの街では現代アートを専門とした美術館もあり、一般の美術館でも現代アートの展覧会が多く開催されています。

そんなドイツの現代アートを代表する存在が、世界的に知られる大規模な現代アートの展覧会ドクメンタです。先日、その展覧会の企画を行うディレクターが決まったので、こちらの記事で紹介したいと思います。

カッセルでのドクメンタ15

第16回ドクメンタ

ディレクター:Naomi Beckwith

  • 1976年生まれのアメリカ人
  • ソロモン・R・グッゲンハイム美術館のチーフキュレーター

会期:2027年6月12日〜9月19日

Website : Documenta 16

ドクメンタとは

ドクメンタ(Documenta)とはドイツ中部の都市カッセルで5年ごとに開催される大規模国際展のことです。1955年からカッセルで開催されており、100日の会期で展覧会を行うことでも知られています。現代アートの世界では、ヴェネチア・ビエンナーレと双璧をなす重要な展覧会として、世界から多くの人が訪れます。

16回目となる次回のドクメンタは2027年の開催です。展覧会の企画を行うディレクターは毎回新しく任命されており、今回の新しいディレクターの決定で、次回開催されるドクメンタの方向性をうかがうことができるでしょう。

過去のドクメンタのディレクター

過去のドクメンタのディレクターを見ると、その当時の美術の動きや、その時の展示の特徴を理解できるかもしれません。1997年の第10回ドクメンタにはCatherine Davidが初の女性ディレクターとして選出されています。それは男性が優位とされた美術界で女性の台頭を示す形となりました。

2002年にはアフリカ出身としては初めてOkwui Enwezorがディレクターとして展覧会を企画しており、植民地支配についての現代的な視点を反映させた展示となっています。

2022年にはruangrupaと呼ばれるアートコレクティブ(グループ)が企画を行うことになりました。これは初めて、ディレクターを複数の人物が務めることになり、一人の人物が頂点となる企画の体制を変えることになりました。実際に展覧会では、参加アーティストがさらに別のアーティストを招待するといった、通常の体制では起こりえないような形の展覧会となっています。

新ディレクターNaomi Beckwith

ドクメンタはディレクターが展覧会のテーマを定めて、アーティストを選びます。そのため今回のディレクターの決定は、次回のドクメンタの方向性が示すことになります。

ディレクターとして選ばれたNaomi Beckwithは、現代におけるブラックカルチャーやその影響に焦点を当てた展示を行ってきたそうです。そのため彼女が今まで行ってきたように、次回のドクメンタでも彼女のアイデンティティが大きく反映される展覧会となるでしょう。

ドクメンタの問題

ドクメンタを語る上で避けられないのは、前回のドクメンタで発生した反ユダヤ主義をイメージさせる作品の撤去です。ホロコーストを引き起こしたドイツでは、イスラエルの批判を行うのは簡単ではありません。その影響はドイツの美術界でも見ることができます。

ドクメンタでは政治色の強い作品や、国際問題を取り上げる作品が登場する可能性もあります。そこでイスラエルやパレスチナ関連の作品を取り上げるかどうかは、今後のドクメンタの立ち位置を考える上で重要となるでしょう。作品が展示できないのであれば、政府の力の影響があると言われ、表現の自由が守られないと批判を受けることなるかもしれません。

2022年開催のドクメンタについては、こちらの記事で紹介しています。

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