ドイツでは鉄道網が発達しているため、鉄道が生活の足となって人々の暮らしを支えています。そんな鉄道の大部分は現代化されており、ドイツ版新幹線が多くの都市を結び、気軽に遠くの街へ旅行することができます。しかし全ての路線が現代化されているわけではありません。
今でも昔ながらの形で鉄道を運行している路線もあるのです。今回紹介したいのは蒸気機関車の運行を行うモリー鉄道です。そこには特別な路線があり、他の鉄道にない魅力があるのです。そんなモリー鉄道について、その特徴や魅力について紹介したいと思います。

ドイツの海沿いのリゾート地を走る蒸気機関車
モリー鉄道があるのはドイツ北部のメクレンブルク=フォアポンメルン州のバート・ドーベランという人口1万人ほどの町です。そこはバルト海に面しており、夏にはバカンスで訪れる人で賑わうリゾート地として知られています。
近くにはドイツ北部の中心都市の一つロストックがあり、そこから訪れることができます。ベルリンとロストック間は鉄道の本数が多くあり、ベルリンから訪れることもできるでしょう。そのためベルリンを起点としたドイツ北部を巡る旅の目的地に組み入れるともできるかもしれません。

歴史あるモリー鉄道
モリー鉄道は19世紀末に開通した歴史ある鉄道です。鉄道は町の中心部とリゾート地である海岸部を結ぶものとなっています。路線距離はおよそ16キロ。10以上の駅が設置されており、観光客だけでなく市民の足としても利用されています。そんな路線を走るのは蒸気機関車です。

このうちの1両は2009年に製造されており、ドイツでほぼ50年ぶりに営業運転用に製造されたもの。また車両はナローゲージと呼ばれる通常より線路幅が狭いものです。そのため車両も小さくなっており、客車もこぢんまりとしています。そんなサイズ感もモリー鉄道の特徴と言えるかもしれません。

町の通りを走り抜ける蒸気機関車
モリー鉄道はおよそ16キロの路線となっていますが、その一部は市街地を通り抜けています。市街地に鉄道が引かれている場合、線路は鉄道車両のみが利用するものとなっているのが一般的でしょう。しかし、こちらでは路面電車のように道路の上に線路が引かれており、列車が走らない場合には車がその上を走るのです。

また線路沿いは多くの店が建ち並ぶ商店街となっており、その合間を走る珍しい鉄道となっているのです。そんな特別な路線となっていることから、モリー鉄道は多くの鉄道ファンに愛されているのです。

乗らなくても風景を楽しめる鉄道
蒸気機関車が市街地に入るとスピードを落とし始めます。そして、カーン、カーンと鐘を鳴らしながら、市街地をゆっくりと進んでいきます。商店街にいれば、鐘の音と共に建物の奥から白煙を見ることになるでしょう。そして蒸気を吐き出しながら向かってくる機関車を見つけることになるのです。
スピードを抑えて進む機関車ですが、それでも迫力があります。そして手を伸ばせば届くところを進む姿に驚かされるでしょう。たとえ機関車に乗らなくとも、それが走る風景を楽しめると思います。

大迫力を楽しめる蒸気機関車
商店街を走る姿を楽しめるモリー鉄道ですが、普通の列車では味わえない体験ができるでしょう。列車は最高時速40キロのスピードでゆったりとした運転を行っています。そのため16キロの道のりを40分ほどかけて走り抜けることになります。乗車すると車内から車窓を楽しむことができますが、ぜひ連結部にも行ってみましょう。

連結部分には乗車スペースがあり、そこから窓越しではない風景を楽しめるからです。眺められるのは機関車が吐き出す煙越しに広がるのどかな風景。そして体全体で風を感じられるはずです。それは普通の列車では感じられない乗車体験なのです。

ドイツで蒸気機関車に乗ってみよう!
ドイツで鉄道を楽しみたいと思っている人は少なくないでしょう。もしドイツを訪れるのであれば、ぜひバート・ドーベランを訪れてみて下さい。そして街の中を走り抜けるモリー鉄道を乗車してみましょう。
そこでは他の鉄道ではありえないような素晴らしい体験を楽しめるはずです。それは、きっとドイツ旅行の素晴らしい思い出になるに違いありません。
モリー鉄道 / Mecklenburgische Bäderbahn Molli
料金:区間によって異なる(6.5ユーロ〜)
アドレス( Bad Doberan駅): Am bhf 1, 18209 Bad Doberan
Website: モリー鉄道
(2024年10月確認)
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