ベルリンは現代アートを専門的に見せる美術館やギャラリーが多くあるアートの街として知られています。そんなベルリンではベルリンビエンナーレと呼ばれる大規模な国際展覧会が2年に1度開催されます。
今年2022年はその重要な展覧会が開催される年です。そこで今回はベルリンビエンナーレの企画内容や会場について簡単に紹介したいと思います。
ベルリンビエンナーレとは
ベルリンビエンナーレは現代アートの国際展覧会のことです。ベルリン国際映画祭がベルリナーレと呼ばれており、この二つがよく間違われてるので気を付けてください。ベルリンビエンナーレですが、ベルリンの壁が崩壊して街に多くのアーティストが集まるようになっていた1998年に第一回目が開催されました。
こうして開催されるようになった展覧会は、現代アートの街として知られるベルリンの重要な文化イベントになっています。そして2022年には12回目の開催を迎えることになりました。
ベルリン・ビエンナーレのテーマ
ベルリン・ビエンナーレは、その開催回ごとにテーマが異なります。今回はキュレーターとしてアーティストのKader Attiaが選ばれており、「Still Present!」というテーマのもとで、アーティストが選ばれて展示が構成されています。
テーマには、帝国主義、ファシズム、植民地主義という20世期の構造を振り返りつつ、新しい構造を探るものとなっているようです。そのため歴史や政治に根ざした展示となっていると言えるでしょう。
会場となる6カ所のスペース
展示会場は美術館である「KW」、美術館の「アカデミーデアクンスト」の2館(Pariser PlatzとHanseatenwegがあります)、同じく美術館の「ハンブルガー・バンホフ現代美術館」、文化施設の「脱植民地主義-街の記憶文化」、そして同じく文化施設の「シュタージー本部-民主主義のキャンパス」の計6会場です。
植民地主義や東ドイツの秘密警察について紹介する文化施設が会場として利用されていることが特徴と言えるでしょう。こうした場所を訪れ、民主主義や植民地主義などを考えることが、今回のテーマを理解する上で重要なのかもしれません。
追記:「脱植民地主義-街の記憶文化」は1作品のみ展示されています。それ以外の会場は多くの作品が展示されており、作品の鑑賞にはかなり時間がかります。また「シュタージー本部-民主主義のキャンパス」は他の会場から離れているため、訪れるには少し時間がかかるでしょう。そのため全ての会場を訪れる場合、2日間以上の日程で訪れることをお勧めします。
ベルリンビエンナーレの参加アーティスト
展覧会のアーティストですが、一般的なビエンナーレと比べると、世界的に知られるアーティストが多く参加しているわけではありません。また多くのメンバーが加わるグループが参加アーティストとして参加しているのも特徴となっています。
そのため従来の展覧会の形式に嵌らないもの言えるでしょう。いずれにせよ、ベルリン・ビエンナーレでは元々形式に当てはまらない展示を行っていたので、今回もそのような展示になっていると考えて良いかもしれません。
「ドクメンタ」や「ヴェニス・ビエンナーレ」に合わせて「ベルリンビエンナーレ」も
2022年はドイツで最も重要な展覧会「ドクメンタ」の5年に1度に開催される年です。また2年に一度イタリアで開催される「ヴェニス・ビエンナーレ」も2022年に開催されています。こうした重要な展覧会と共にベルリンを訪れれば、ベルリンビエンナーレも訪れることができます。
もし一度に多くの重要な展覧会を訪れることを考えるのであれば、ぜひベルリンビエンナーレも訪れてみてください。
ベルリンビエンナーレ / 12th Berlin Biennale for Contemporary Art
会期 : 2022年6月11日〜9月18日
チケット : 18ユーロ
Web-Page : https://12.berlinbiennale.de/de/
KW Institute for Contemporary Art
アドレス:Auguststraße 69, 10117 Berlin
開館時間 : 11 〜19時 (水〜月)
休館日: 火曜日
次回の開催は2025年です(1年開催を延期しています)。2025年の開催スケジュールは下記の通りです。
会期 : 2025年6月14日〜9月14日