海外旅行に行くとなると、旅行先の治安が気になる人は少なくないでしょう。日本は治安の良い国であるため、海外で日本と同じような感覚でいると、犯罪に巻き込まれてしまう可能性もあります。
だからこそ、旅行先の治安や、そこで何に気を付けた方が良いかあらかじめ知っておくと、旅行を楽しむことができるでしょう。そこで今回はドイツの治安について簡単に紹介したいと思います。
ドイツの犯罪率
まずは犯罪率(犯罪件数を総人口で割った数を10万倍したもの)ですが、ドイツでは38で、日本は22.9となっています。数から見ると、日本の倍近くですが、世界の平均値が46.7であるため、世界で考えると治安の良い国となっています。
実際にドイツに10年以上住んでみて感じたことですが、スリや窃盗といった軽犯罪が日本に比べると多い印象があります。しかし自分だけでなく、知り合いや同僚を含めて傷害など暴力的な事件にあった話を聞いたことはありません。
ドイツの安全な大都市ベスト10
ドイツの保険会社allianzでは、「ドイツの安全な大都市ベスト10」と「危険な大都市ベスト10」をデータを元に作成しています。
安全な大都市ベスト10では1位にミュンヘンが入っています。2位から3位はヴィスバーデン、アウグスブルクとなっており、4位以下は、マインツ、ニュルンベルク、ビーレフェルト、オーバーハウゼン、ボーフム、シュツットガルト、カールスルーエ(2023年のデータ)と続いています。
ミュンヘンは多くの観光地があります。そのような観光都市ですが、ドイツで1番安全な都市にもなっています。そのため、ミュンヘンでは治安を気にすることなく観光を楽しむことができるでしょう。
いずれも旧西ドイツの国であること、またバイエルン州から3つの都市がラインクインしていることが特徴と言えるかもしれません。
(データは各都市の犯罪数を都市の人口で割り、20万人以上の大都市のみで比較しています)
2023年版ドイツの安全な大都市ベスト10
- ミュンヘン
- ヴィスバーデン
- アウグスブルク
- マインツ
- ニュルンベルク
- ビーレフェルト
- オーバーハウゼン
- ボーフム
- シュツットガルト
- カールスルーエ
ドイツの危険な大都市ベスト10
allianzでは同様に危険な大都市ベスト10を作成しており、1位となっているのはフランクフルトです。2位から3位はベルリン、ブレーメンで、4位以下はハノーファー、マグデブルク、ケルン、ハレ(アム・ザーレ)、デュッセルドルフ、ハンブルク、アーヘンと続いています。
全体的に北ドイツ地域や東ドイツ地域の都市が多く、バイエルン州や、バーデン=ヴュルテンベルク州など南ドイツの都市は入っていません。フランクフルトはドイツの主要な空港があり、日本からドイツを訪れる際には多くの人が訪れるため、フランクフルトでは用心をした方が良いかもしれません。
2023年版ドイツの危険な大都市ベスト10
- フランクフルト(アム・マイン)
- ベルリン
- ブレーメン
- ハノーファー
- マグデブルク
- ケルン
- ハレ(アム・ザーレ)
- デュッセルドルフ
- ハンブルク
- アーヘン
allianzによるドイツの安全な都市と、危険な都市のレポート
ベルリンの治安について個人的な印象
ドイツの首都ベルリンに10年以上住んでいる経験から言えるのは、深夜に出歩いたりせず、常識的な行動をとれば、スリを除いた犯罪に出会うことはないと思います。スリを除けばと書きましたが、空港やターミナル駅、そして観光客の多いところではスリが多いです。
ベルリン市のホームページではベルリン動物園付近のBreitscheidplatzや、大手百貨店kadewe付近のTauentzienstraße、そして電車のターミナル駅周辺となるAlexanderplatz、Friedrichstraße、観光地と知られるPotsdamer Platz、Warschauer Straßeで多くのスリが発生していることを警告しています。そのため上記のエリアや観光地、そして公共交通機関では、スリに注意することをお勧めします。
ドイツで実際に経験したスリの実例
スリには様々なテクニックがあります。実際に私が経験したのは、ハイタッチや親しげに体を触れて、気をそらして携帯電話や財布を盗むことです。すぐに気付いたため盗まれずに済みましたが、あまりの見事なテクニックに驚かされました。
他にも電車の乗り降りの際にカバンから貴重品を盗まれそうになったこともあります。こうした経験から、見知らぬ人からの突然の握手やハイタッチは避け、また電車の乗り降りの際は貴重品に気を付けるようにしています。
下記の記事では、ドイツで起きているスリや盗難の手口を紹介しています。記事を確認して、スリや盗難対策をしましょう。