アーヘンはドイツ西部にあり、ベルギーやオランダの国境までわずかなところ位置しています。街には巨大な大聖堂がそびえており、それは世界遺産にも指定されているのです
そんなアーヘンの大聖堂を訪れるために、アーヘンを旅行で訪れる人も少なくないでしょう。このような街を訪れる際に公共交通機関を利用することになります。しかしドイツの公共交通機関は日本のものとは料金体系や使い方など異なることが多くあります。そのため利用に戸惑う人もいるでしょう。
そこで、こちらの記事ではアーヘンの公共交通機関の種類、その使い方や料金体系、そして乗車券の種類などを解説します。
アーヘンの公共交通機関の利用法を理解して、アーヘン観光にぜひ活用してください。
- アーヘンの公共交通機関の運営会社
- アーヘンの公共交通機関の種類
- アーヘンの公共交通機関の路線図
- 「Preisstufe 」とは
- 切符の種類と価格
- バス、Sバーン、ドイツ鉄道の使い方
- 気を付けなくてはいけないこと / 乗車券に打刻が必要
- 便利なアプリ
- ストライキに注意
アーヘンの公共交通機関の運営会社
アーヘンの交通機関の運営会社(アーヘンで市バスを運行)
- アーヘン路面電車・エネルギー供給株式会社(通称ASEAG)/ Aachener Straßenbahn und Energieversorgungs-AG
アーヘンで運行されている運営会社の異なるその他の交通機関
- Sバーン、ドイツ鉄道、地域鉄道
アーヘンなど周辺地域を束ねる交通グループ
- アーヘン交通連合(通称AVV)/ Aachener Verkehrsverbund
アーヘンには公共交通機関であるバスの運行を行う会社、 アーヘン路面電車・エネルギー供給株式会社があります。
それ以外にもアーヘンには運営会社が異なるSバーンやドイツ鉄道が公共交通機関として運行されています。
アーヘン路面電車・エネルギー供給株式会社、そしてSバーンやドイツ鉄道(アーヘン市内)はアーヘン周辺地域の公共交通機関が構成するアーヘン交通連合 に所属しています。そのためアーヘン交通連合に属する公共交通機関の乗車券を購入すれば、それに所属する他の交通機関を利用できるのです。
アーヘンの公共交通機関の種類
アーヘンの公共交通機関
- 市バス(Bus)
- Sバーン(S-bahn)
- ドイツ鉄道の列車(Deutsche Bahn)/ 高速鉄道を除く
アーヘンでは市内の公共交通機関は、いずれもアーヘン交通連合(通称AVV)に所属しています。そのためAVV所属の公共交通期間の乗車券を購入する場合、下記ものを利用することができます。
市バス(Bus)
アーヘンのバスは市内各所を結んでいます。また市内を移動する主要な交通機関となるため、頻繁に利用することになるでしょう。
Sバーン(S-bahn)
都市近郊鉄道と呼ばれるもので鉄道で、アーヘンと周辺都市を結んでいます。駅間の距離が長く、短時間で長距離を移動することができます。
ドイツ鉄道/地域鉄道(Regionalzüge)
ドイツ鉄道による路線で、遠距離にある都市とアーヘンを結んでいます。そのため周辺の町を訪れる際に利用することになるでしょう
アーヘンの公共交通機関の路線図

「Preisstufe」とは
- Preisstufeは乗車券の価格レベル
- アーヘン市内の移動は「Preisstufe1」
「Preisstufe」とは「Preis(価格)」と「stufe(レベル)」のことです。つまり価格レベルという意味で、AVVでは、移動する市町村の数に応じて、乗車券のレベルが上がり、「Preisstufe1」、「Preisstufe2」、「「Preisstufe3」となります。レベルが上がると、移動距離が増えることになり、価格も上がります。
Preisstufe1
「Preisstufe1」とは一つの市町村内の移動で、アーヘン市内は「Preisstufe1」となります。

Preisstufe2
「Preisstufe2」とは隣接する市町村への移動のことで、二つの市町村を移動することから、「Preisstufe2」となります。

Preisstufe3
「Preisstufe3」とは計3つの市町村を移動することです。

切符の種類と価格
アーヘンの公共交通機関の主な乗車券は下記のものになります。
- 短距離乗車券/Kurzstreckenkarte
- 片道乗車券 / Einzelkarte
- 1日乗車券 / 24-Stunden-Ticket
- グループ1日乗車券 / 24-Stunden-Ticket / 5 Personen
短距離乗車券/Kurzstreckenkarte
アーヘン市内のバスでの短距離の移動に利用することができます。ただし交通手段を乗り換えることはできません。4停留所までの移動に利用できます。
注1: 6歳未満は無料
注2: バスでのみ利用可能
| 名称 | 通常価格 | 割引価格(6〜14歳) |
| StädteRegion Aachen | 2.3 Euro | 1.2 Euro |
片道乗車券 / Einzelkarte
アーヘン市内の片道で利用することができます。交通手段の乗り換えも可能です。そのため途中下車もできます。ただし利用時間は90分までです。復路では使うことができません。
利用エリアとは、利用するエリアの数のことを指しています。アーヘン市内の移動は「Preisstufe 1」となります。一つの市町村(同じ市町村内)の移動は「Preisstufe 1」です。2つ移動する場合には「Preisstufe 2」となります。そして3つ移動する場合には「Preisstufe 3」となります。
注1: 6歳未満は無料
注2: 有効利用時間は90分
| 利用エリア(Stufe) | 通常価格 | 割引価格(6〜14歳) |
| Preisstufe 1 | 3.6 Euro | 1.7 Euro |
1日乗車券 / 24-Stunden-Ticket
アーヘン市内で打刻をしてから24時間利用できる乗車券です。
注1: 6歳未満は無料
| 利用エリア(Stufe) | 通常価格 |
| Preisstufe 1 | 9.9 Euro |
グループ1日乗車券 / 24-Stunden-Ticket / 5 Personen
アーヘン市内で打刻をしてから24時間利用できる乗車券です。5人まで利用できます。
| 利用エリア(Stufe) | 通常価格 |
| Preisstufe 1 | 14.5 Euro |
バス、Sバーン、ドイツ鉄道の使い方
市バスの乗り方
乗車券
運転手から購入する、もしくアプリで購入することになります。
打刻
バス車内(一般的に運転席の後方付近)には打刻機があるので、打刻していない場合は、車内で打刻することができます。
乗車
ドイツでは乗車する際に乗車券を購入する、もしくは乗車券を提示します。そのため運転手側のドアから乗車することになります。
出入り口のドア付近に立たないことをお勧めします。ドアのセンサーが反応して閉じないことがあります。(一般的に黄色い線で立ってはいけないエリアが表示されています)
降車
降車の際は車内にある停車ボタンを押して降車してください。一般的には車内にモニターがあり、次の停留所が表示されます。そこで停車ボタンを押して降車します。降車の際には運転手席側でなく、他のドアから降車してください(乗車する人とぶつかってしまうからです)
Sバーン/ドイツ鉄道の乗り方
乗車券
駅構内に券売機が設置されています(車内に券売機はありません)。
打刻
改札がなく、その代わりに駅構内で打刻をする必要があります。
ドアの開閉
出入り口のドア上にドアの開閉ボタンがあります。それを押してドアを開けます。ドアのボタンを押さないとドアが開かないので、気をつけてください。
気を付けなくてはいけないこと / 乗車券に打刻が必要
- 多くの乗車券は打刻が必要
- 打刻では使用開始時刻と使用開始駅名を乗車券に記入される
ドイツの鉄道(Sバーンやドイツ鉄道)には改札口が設置されていません。そのため乗車券を利用する場合、打刻機で利用を始める駅名や利用開始時刻を入れる必要があります(アプリなどデジタルの場合には必要ありません)。
打刻用の機械は一般的に券売機の近くに設置されています。バスの車内にも打刻用の機械が備え付けられています。そのため車内で打刻できます。
なおアプリの場合には、多くの乗車券は発券の段階で打刻されています(回数券などを除く)。
打刻しない場合は無賃乗車として罰金
- 打刻なしの乗車券は不正乗車で60ユーロの罰金
乗車券を購入していても、打刻していない場合には無賃乗車とみなされます。打刻されていない場合、乗車した駅や乗車した時刻が記録されません。そのため利用しているゾーンの数もわからなくなり、利用状況に応じた乗車券を利用しているかどうか判断できないからです(公共交通機関では車内で検札を行うことがあります)。
もちろん乗車券を持たない場合も不正乗車となります。
不正乗車の場合、60ユーロ(2025年10月現在)の罰金を支払う必要があります。そのため乗車券の打刻忘や、乗車券の紛失に気をつけてください。
便利なアプリ
AVVではスマホアプリを提供しています。アプリでは路線図や移動経路を確認でき、乗車券の購入もできます。
ストライキに注意
ドイツ旅行の際には、突然ストライキにあってスケジュールを変更する可能性もあるので、気を付けてください。










