2026年はヨーロッパの都市で大規模国際展マニフェスタが開催される年です。ドイツの大規模国際展といえば、5年おきにカッセルで開催されるドクメンタや、10年おきにミュンスターで開催されるミュンスター彫刻プロジェクトが知られています。
マニフェスタはドイツで必ず開催されるわけでなく、毎回ヨーロッパの都市で開催されるのが特徴となる展示です。今回はそんな展示がドイツで開催されることになるのです。そこで、こちらの記事では、マニフェスタや今回の開催される都市について紹介したいと思います。
マニフェスタとは
- 隔年開催
- 開催都市は毎回異なる
マニフェスタとは隔年でヨーロッパの都市で開催される国際展覧会のことです。1994年に設立されました大規模国際展ですが、現在世界の各地でされている展示とは異なるスタイルで開催されています。
大規模国際展は同じ都市で定期的に開催されるのが一般的ですが、マニフェスタでは毎回都市を変えて開催されます。それどころか開催される国もヨーロッパ国内の異なる国で開催されています。
1996年にオランダのロッテルダムで開催されて以降、ルクセンブルク、ドイツ、スペイン、ベルギー、ロシア、フランス、コソボで開催されてきました。2026年に開催されるのは16回目となり、今回はドイツで開催されるのです。

マニフェスタ16の会場
- 会場はルール地方の4都市(デュイスブルク、エッセン、ゲルゼンキルヘン、ボーフム)
- 展示会場は利用されていない教会(近現代に建てられたモダンな教会)
今回のマニフェスタはドイツ西部ルール地域で開催されます。また開催されるのは一つの都市だけではありません。会場となるのはルール地域のデュイスブルク、エッセン、ゲルゼンキルヘン、ボーフムの4都市です。
また会場となるのは美術館や文化施設ではなく現在利用されていない12ヶ所の教会なのです。いずれも戦後に建てられたモダンな建物であり、ブルータリズムの建築が含まれるなど、特殊な場所が展示スペースと利用されることになるのです。
10年後にはドイツの半数近い教会が閉鎖されると言われており、それは宗教のあり方の変化、ドイツの多民族化の反映と言えるかもしれません。今回のマニフェスタでは、教会だった建物を通じて、様々なことを伝える展示となるでしょう。

マニフェスタの企画チーム
- 建築家のJosep Bohigasが総指揮
- ドイツのカリスマ的キュレーター・ギャラリストのRené Blockも参加
マニフェスタでは毎回企画を行うディレクター(キュレイター)を指名していますが、今回は建築家のJosep Bohigasが選ばれています。またチームにはドイツの現代アートにおいて重要な役割を果たしてきたRené Blockが参加しています。
René Blockはドイツにフルクサスのムーブメントを紹介しただけでなく、Joseph Beuysをアメリカに紹介したギャラリストです。その後は美術館のディレクターや国際展のキュレーターなどを務めてきました。
今回はそうした伝説的な人物がマニフェスタの展示に参加し、エッセンでのプロジェクトを企画することになります。

2026年ドイツで必見の展示
- 2026年6月21日から10月4日までの100日間開催
マニフェスタ16での展示は2026年6月21日から10月4日までの100日間開催されます。展示は単なる作品の展示だけでなく、コミュニティーを巻き込むプロジェクト、そして様々な関連イベントが開催されることになります。
そこでは現代アートを楽しむことができ、同時に今ドイツで起きていることも感じられるでしょう。マニフェスタは重要な現代アートの国際展であり、今回も興味深いアプローチを行うため、ぜひ展示を訪れてみてください。

マニフェスタ16 / Manifesta 16
会期:2026年6月21日から10月4日
会場:デュイスブルク、エッセン、ゲルゼンキルヘン、ボーフム
Webページ:マニフェスタ16
2027年にドイツではミュンスター彫刻プロジェクトが開催されます。










