グリューネバルト駅
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ベルリンでホロコーストの悲劇を伝える「グリューネバルト駅」

ドイツの歴史を振り返ると、多くの人が思い浮かべるのは第二次世界大戦かもしれません。ヨーロッパの国々を侵略したドイツですが、同時にユダヤ人の迫害を行い、それによって多くの人々が命を落としました。そんな迫害はホロコーストと呼ばれ、今でもドイツの歴史に暗い影を落としています。

このようなホロコーストの起こした悲劇ですが、ベルリンではそれに関連する場所が整備されています。今回紹介したいのは、そんな場所の一つであるグリューネバルト駅です。駅はホロコーストに関わる歴史を伝えるだけでなく、印象的な場所となっています。

ホロコーストとは

グリューネバルト駅

そもそもホロコーストとは第二次世界大戦期に起きたユダヤ人大量虐殺のことです。1933年にドイツではナチスが政権を握ります。そしてユダヤ人の活動を制限するようになり、国家規模での迫害が始まりました。フランスで迫害への抗議としてユダヤ人青年がドイツ大使館職員を殺害した事件が起こります。これによってドイツ各地で「水晶の夜」と呼ばれる反ユダヤ暴動が起き、迫害はさらにエスカレートしていったのです。

その後ユダヤ人は故郷を追われることになり、その先にあったのは劣悪な環境の強制収容所や、殺害を目的とする絶滅収容所でした。このような大迫害はドイツが敗戦を迎えるまで続き、多くの人が命を落としたのです。

ベルリンに整備されたホロコーストを伝える場所

グリューネバルト駅

ベルリンには幾つかのホロコーストの悲劇を伝える場所があり、今回紹介するグリューネヴァルト駅もその一つです。駅が位置するのはベルリン郊外の場所。近くにはグリューネヴァルトと呼ばれる広大な森が広がる自然豊かな場所です。そのためハイキングを楽しむ人々が利用する駅にもなっています。

そんな駅には特別な場所があるのです。それは17番プラットフォーム。それは駅の端にある特別なプラットフォームです。しかし他のプラットフォームとは決定的に異なるものとなっています。線路が敷かれているにも関わらず、電車が停まることはないのです。

ベルリンから追われた5万人以上ものユダヤ人

グリューネバルト駅

使われていないプラットフォームは、ベルリンで起きたホローコーストを気付かせる場所となっています。かつてベルリンではユダヤ人が強制収容所へと送られていました。その際に鉄道が使われていたのです。そして出発駅となった場所がグリューネヴァルト駅近くにあったのです。1941年に始まったユダヤ人の輸送ですが、1945年まで続けられ、中には収容所があったアウシュビッツに直接輸送されたこともありました。

このように行われたユダヤ人の追放では5万人以上の人々がベルリンから追いやられたそうです。そして、その多くは命を落としたのでした。そんなベルリンで行われたホローコストを伝える場所として、17番プラットフォームが整備されているのです。

ホロコーストを伝える17番プラットフォーム

グリューネバルト駅

プラットフォームを訪れると、そこに電車が停まることがないのは一目でわかるでしょう。線路の上には木々が生い茂っており、廃線のような雰囲気を生み出しています。そんな場所を歩いてゆくと、あることに気付かされるでしょう。ホームの端には、多くのプレートが取り付けられているのです。

プレートを見てみると、「1944年1月20日、48人のユダヤ人、ベルリン-アウシュヴィッツ」と書いてあります。各プレートには、日付、人数、そして都市名が記されているのです。これはユダヤ人を追放するためにベルリンから出発した列車の情報がプラットフォームを覆い尽くしているのです。そして多くのユダヤ人がベルリンで迫害されたことを実感できるでしょう。

ホローコストの悲劇を感じさせる場所

グリューネバルト駅

グリューネヴァルト駅の17番プラットフォームを訪れると感じられるのは、ベルリンでユダヤ人に起きた悲劇です。プラットフォームに取り付けられたプレートを見るとわかるのですが、毎日のようにユダヤ人を乗せた列車が、ベルリンから遠く離れた街へと向かって行きました。そこに乗っていた人々の多くは、2度と故郷に戻ることはできなかったのです。

それは死への片道切符だったと言えるかもしれません。プラットフォームに立つと、行き着く未来などなかった当時のユダヤ人の気持ちを感じられるでしょう。ここではホロコーストの悲劇を強く感じることができるのです。

ベルリンでホロコーストを理解するために訪れてほしい場所

ベルリンにはユダヤ博物館などホロコーストの悲劇を伝える場所があります。ですが、英語やドイツ語の資料の展示が多くを占めています。そのため多くの情報を理解することは決して簡単ではないでしょう。しかしグリューネヴァルト駅にある17番プラットフォームは、言葉がわからなくても感覚的に伝わるようになっています。そのためホロコーストの悲劇をベルリンで感じることができるでしょう。ホロコーストについて興味があるのであれば、ぜひ訪れてほしい場所です。

グリューネバルト駅 / Bahnhof Berlin-Grunewald

アドレス: Am Bahnhof Grunewald, 14193 Berlin 

入場料: 無料 

開館時間: 常時

休館日:無し 

Web-Site : グリューネバルト駅

(2024年5月現在)

ベルリンにはホロコーストの悲劇を伝える場所が多くあります。その中でも、特に訪問をお勧めしたいのは下記の場所です。

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