ベルリンには多くの美術館があります。そのうちの一つであるベルクグリューン美術館が、2022年秋より建物のリノベーション工事を行うことになりました。ベルクグリューン美術館といえば、多くのピカソの作品を所蔵していることで有名です。
素晴らしいコレクションを持つ美術館ですが、リノベーション工事のために休館となり、しばらく訪れることができなくなります。ですが、休館中に所蔵作品を全く見れないわけではありません。日本で展示されるなど、ベルリン以外の場所で展示されます。今回はそんなベルクグリューン美術とその休館について、簡単に説明したいと思います。
ベルリンの文化エリアの一翼を担うベルクグリューン美術館
ベルリン中心部にはシャルロッテンブルク宮殿が建つ瀟洒なエリアにあります。近くにはシュールレアリズムの作品を展示するシャルフ・ゲルステンベルク美術館、そして工芸美術品を展示するブレーハン美術館など文化施設が集まっています。その一角に建つのがベルクグリューン美術館です。
このエリアでは宮殿で中世の美術作品を楽しめるだけでなく、美術館で工芸美術やシュールレアリスム、そしてピカソの作品などを楽しめるため、文化を満喫できる場所と言えるでしょう。ベルクグリューン美術館は、そんな文化的なエリアの一角に建っており、ベルリンの文化の一翼を担う美術館なのです。
個人コレクションの作品を見せる美術館
美術館の名前に取られているのは、ベルリン出身でパリで画廊を経営していたハインツ・ベルクグリューンです。彼は画廊で作品の展示を行うだけでなく、同時に作品を集めていました。1980年に画廊の仕事を引退した後も作品を集め続けてコレクションは大きくなっていきます。
そして1996年には生まれ故郷のベルリンでコレクションを展示するようになったのです。2004年にはコレクションを展示するベルクグリューン美術館が誕生しました。彼が亡くなった後、さらに多くの作品が美術館へ貸し出されることになり、素晴らしい作品を楽しめる場となったのです。
ベルクグリューン美術のハイライト、ピカソのコレクション
ベルクグリューン美術館には多くの作品が展示されていますが、見どころとなるのはピカソの作品でしょう。ピカソについては、20世紀初頭の作品から第二次世界大戦後の作品までの120点以上の作品が収蔵されています。特に若き日に描いた傑作も含まれており、コレクションの内容に驚かされるかもしれません。
そんなコレクションですが、ピカソに留まらず、パウル・クレーの作品が70点以上含まれています。それ以外にヘンリ・マティスや、アルベルト・ジャコメッティ、ジョルジョ・ブラック、そしてポール・セザンヌといった巨匠の作品も所蔵されており、美術ファンには見逃せない場所となっているのです。
2022年秋から休館となり、2025年に再オープンの予定
ベルクグリューン美術館のリノベーション工事ですが2022年の秋から始まります。そのため美術館が休館となるのは2022年の9月5日からです。工事が終わり、再び美術館がオープンするのは2025年の予定となっています。
ただしベルリンでは新ナショナルギャラリーや、フンボルトフォーラムといった美術館などの工事が長引いて予定通りに開館しなかった前例があります。そのため必ず2025年に再オープンすることを期待しない方が良いでしょう。
大阪、東京でベルクグリューン美術館のコレクションを楽しめます
ベルクグリューン美術館が休館する間、所蔵されている作品の一部はベルリンから離れた場所で公開される予定です。
2022年10月から2023年の1月までの間、所蔵作品は東京の国立西洋美術館で開催される「ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」で展示されます。また展覧会は大阪でも開催されることになっており、国立国際美術館で2023年2月から5月までの間、素晴らしいコレクションを楽しむことができます。
日本でのツアーを終えた後は、上海、北京、パリでの展示を控えています。しばらくの間ベルリンではベルクグリューン美術館の展示を楽しむことはできません。しかしベルリンを訪れなくても、その素晴らしいをコレクションを楽しむことができます。このチャンスを逃さずに展覧会を訪れてみてはどうでしょうか。
ベルクグリューン美術館 / Museum Berggruen
アドレス: Schloßstraße 1, 14059 Berlin
2022年9月5日から休館、2025年再オープン予定
Web-Site : ベルクグリューン美術館
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