ドイツの首都ベルリンには博物館島と呼ばれるエリアがあります。それはベルリン中心部を流れる川の中洲のことで、そこには美術館や博物館が軒を連ねて建っています。
そんな博物館島の中で、ペルガモン博物館に並んで人気のある博物館が新博物館です。そこでは広大な展示空間を生かして展示を行っており、世界中から多くの人が訪れる人気の場所となっています。今回はそんな新博物館について紹介したいと思います。
博物館島とは
新博物館を紹介する前置きとして、まず博物館島について簡単に説明をすることにします。博物館島は世界遺産にも指定されている場所で、そこには5館の博物館や美術館が集まっています。
ペルガモンの祭壇を見せるペルガモン博物館。ギリシア美術などの展示を行う旧博物館。ビザンチン美術や彫刻作品を見せるボーデ博物館。そして博物館島内で唯一の絵画を中心に見せるアルテ・ナショナルギャラリー(旧美術館)。
このような博物館島の施設の中で、新博物館ではエジプト美術や紀元前の美術作品などの展示を行っているのです。
新博物館の建物
新博物館の建物ですが、第二次世界大戦によって著しく破壊されてしまいました。そして破壊された状態のままとなっていたのですが、近年に修復されて再び博物館としてオープンしています。
こうした建物の歴史は印象的な形で残されています。建物の中心にある大階段の柱には銃撃戦の跡を見て取ることができます。
その一方で展示空間はモダンな作りとなっており、美しい空間の中で素晴らしい博物館のコレクションを楽しむことができるでしょう。
新博物館の見どころ、ネフェルティティの胸像
新博物館の見どころとなるのはネフェルティティの胸像です。ネフェルティティは紀元前14世紀のエジプトの王女で、その胸像は写実的に作られています。そのため紀元前の彫刻とは思えないでしょう。
このようなネフェルティティの胸像は最も有名なエジプト美術の作品として知られています。またドイツの研究者がエジプトで発掘してドイツに持ち帰って以来、今もなおエジプト政府は胸像の返還を求めています。
いずれにせよ、ネファルティティの胸像はエジプト美術の傑作として知られており、それを新博物館で鑑賞することができるのです。
見逃すことのできない重要な展示物、ベルリンの黄金の帽子
新博物館の展示の見所でネフェルティティの胸像の次に挙げられるのは、ベルリンの黄金の帽子です。こちらは青銅器時代に作成された黄金の装飾品です。紀元前10世紀から8世紀のドイツもしくはスイスのものと考えられています。
歴史的に重要な出土品であることも重要ですが、黄金で作られた大きな装飾品は特に目を引くでしょう。またその特殊な形状は、当時の風習などを思い起こさせてくれるに違いありません。
新博物館の充実したエジプト美術のコレクション
見所の最後に取り上げたいのは様々なエジプト美術のコレクションです。既に取り上げたように、ネフェルティティの胸像のようにエジプト美術の代表ともいえるものがありますが、それだけに留まりません。
ミイラ、それを納める棺などが多数展示されています。棺にいたっては、文字が刻まれた石棺から顔を描いた木棺など様々な種類があるため、そのバリエーションに驚かされるでしょう。
このように充実したエジプト美術のコレクションが揃っているため、歴史が好きな人には見逃すことのできない場所です。
新博物館をお得に訪れられるチケット
2024年5月現在、新博物館の入場料は14ユーロとなっています。この価格は展示内容で考えると、かなり安く感じられるでしょう。
また他の博物館島の施設を訪れるのであれば、さらにお得に訪れることができます。当日限りですが、他の博物館島の博物館や美術館を訪れられる博物館島のチケットが24ユーロで販売されています。2館の施設を訪れれば、元を取ることができます。
ベルリンに数日滞在して、多くの美術館・博物館を訪れるのであれば、指定の30館のベルリンの施設を訪れられるミュージアムパスが32ユーロで販売されています。新博物館を訪れるのであれば、条件に合ったチケットを使って、お得に訪れてみましょう。
新博物館/Neues Museum
アドレス: James-Simon-Galerie, Bodestraße 10178 Berlin (新博物館の入り口はJames-Simon-Galerieになっています)
入館料: 14ユーロ(特別展により異なる)、博物館島チケット(24ユーロ)、ミュージアムパス(32ユーロ)
開館時間:10〜18時
休館日:月曜日
Web-Site: 新博物館
(2024年5月確認)